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こなたと二人。 二人きり。 二人で一緒に並んで、 夜でも賑やかで明るい参道を歩いていく。 さっきから胸がドキドキしている。 高鳴りが自分の耳にまで聞こえてきた。 こなたが、隣にいる。私の、すぐ横に。 それだけで身体が熱を持ち、頭が真っ白になっていく。 「かがみ、あっち行ってみない?」 「え……」 そう言って、こなたはまた参道の反対側へと向かった。 通行人も軽々と避けて奥に進み、すぐに視界から消えそうになる。 「あ、待ってよ!」 追いかけようとして、 突然横から来た人とぶつかった。 バランスを崩して身体がよろける。 倒れないように体勢を整えて、 そして見上げた視界に、こなたはいなかった。 雑踏の中で、こなたを見失ってしまった。 「……こなた?」 小さく名前を呼ぶけど、すぐにそれはざわめきでかき消される。 何処を見ても、人。知らない人。背の高い人。こなたの姿は何処にもない。 更に混雑してきた参道は、こなたを完全に隠してしまった。 「こなたー」 声を上げても、それは周囲の音と混ざり合って霧散していく。 こなたは具体的に何処に行くとも言ってないし、この人ごみの中じゃ、反対側に出ることも、身動きをとることすら出来ない。 ……もう、自分勝手なんだから。 折角二人きりになれたのに、何処かにいちゃって……。 離れ離れになったら、意味ないじゃない。 「こなたー!」 急に不安が襲ってきて、思わず叫ぶ。 でも、返事は返ってこなかった。 このまま、はぐれたままになっちゃうんじゃないか。 そう思うと、急にお腹が冷たくなってきた。焦燥感が生まれる。 ただでさえ人が多いんだから、一回はぐれたらそれっきりになる可能性だってある。 ……何とかして、探し出さなきゃ。 人を避けて、押しのけて、掻い潜って、走って、 ようやく、反対側の屋台の前に出た。 そして急いで左右を見回し、 「かがみ?」 不意に、後ろから声がした。 振り向くと、何事もなかったかのように立っているこなた。 ……人が、人が心配して探してたっていうのに、どうしてそんな平然としてられるのよ。 こなたが見えなくなって、不安だったのに、心細かったのに……。 「……あんたねぇ、一人で突っ走るんじゃないわよ。迷子になるところだったのよ?」 「え、いや~、てっきりついてきてるんだと思ってて……」 「私はあんたみたいに機敏に動けないのよ! ちゃんと、私のことも考えてよ。 ……怖かったんだから。こなたとはぐれちゃうんじゃないかと思って」 「ご、ごめん。……じゃあさ、」 瞬間、電撃が走ったかのように全身が痺れる。 左手に、ふわっとした柔らかい感触。 ぎゅっと、握り締められ、包まれる。 こなたの手に。 金縛りにあったみたいに、身体が硬直した。 動かない身体に、ただほのかな温もりが伝わってくる。 「ほら、こうすればもうはぐれないよ」 しっかりと結ばれた手。繋がった身体。 強く握られた手に、くすぐったさみたいな感じが生まれた。 手を見て、なんだか恥ずかしくなって、つい顔を背ける。 嬉しさが表情に出るのを隠すために。 この手を離したくないし、どこまでも一緒に、繋がっていたい。 叫びたい気持ちを抑えながら、そう、思った。 「……これであんたが迷子になることもなくなるわね」 「むー、小さいからってまたそんなこと言って! むしろ迷子になってたのはかがみの方じゃない」 「あんたが飛び出して何処かに行っちゃうのがいけないんでしょ」 ……ありがとう、こなた。 その思いを伝えるために、こなたの手を、もっと強く包み込んだ。 こなたの体温を感じる。私たちが繋がっている証。 まだまだ小さいけど、いつかはもっと深く大きくなるだろうか。 「うぅ……。でも、やっぱりかがみ、人押しのけてたね。私の言ったとおりだったよ」 「な、あ、あれは仕方ないじゃない。あんた探すのに必死だったんだから」 「かがみ、そんなに私のこと心配してくれてたんだー。嬉しいなぁ」 「そ、それより、今度からは気をつけなさいよ!」 「はいはい、分かってるって」 「……で、あんた何処に行こうとしてたのよ」 尋ねると、こなたは急に目を大きく見開いて、 「あ、そうだった。あっちにクレープ屋さんがあるんだよ」 「クレープって、別にその辺にもいっぱいあるじゃない。何も反対側までこなくても……」 「ちっちっ、分かってないなぁ、かがみは。とにかく、見れば分かるよ。行ってみよ」 私の手を引いて、駆け出す。 屋台の屋根の下、あまり人が通らない場所を、二人で走っていく。 速く、久しぶりに風を感じた。 人を避けながら、白熱灯の光を浴びながら、冬の逆風を切って辿り着いた先。 「え……」 「ほら、屋台とは違うのだよ、屋台とは」 参道から逸れた脇道。 カーブで外側が膨れたその道の上に止まっている、大きな移動販売の車。 そこには、長い行列が出来ていた。 「あれって、何売ってるの?」 「クレープだよ。ここのお店のはおいしくて人気があるんだって」 「この行列がそれを物語ってるわね」 参道の溢れんばかりの人を見た後だから少なく思えるけど、それでも寂れた脇道には十人ばかりの人が並んでいる。 その先端にある車には、クレープのメニューが書かれた看板が貼り付けられていた。 チョコレート、チョコバナナ、ストロベリー、ブルーベリー、アップル、キウイ……。 種類を見るたびに、それが包まれたクレープが頭に浮かんできて、口の中に想像の甘さが広がる。 「かがみ、どれにする?」 「えーと、ここはベタにチョコバナナにしようかしら。ソースだけじゃなくて、何かが入ってたほうが食べ応えがあるし。 あんたはどうするの?」 「私は……、じゃあ、イチゴにしよ」 「あんたイチゴ好きだっけ? てっきりチョコ系かと思ってたけど」 「私イチゴ好きだけど? それに凄く甘いものが食べたくなってね」 二人で列の最後尾に並ぶ。 参道から離れていても、その音ははっきりと聞こえてくる。 まだここは、祭りの中のようだ。 子供とそのお父さんが、袋に入ったクレープをかじりながら参道に戻っていくのと擦れ違った。 「……おいしそうねぇ」 「でしょ。ここはそこらへんの作り置きしてる屋台とは違って、その場で生地を焼いてくれるから、温かいままで食べれるんだよ」 脇道は緩やかな下り坂になっていて、ここからでも車内の様子が見える。 円い鉄板の上で薄く伸ばした円い生地が焼かれ、その上にトッピングが乗せられていた。 とにかく、おいしそうだ。 やがて私たちの順番が来て、宣言したとおりのクレープを買った。 クレープが作られる瞬間を見るのは初めてで、完成までの時間はそう長く感じなかった。 お金を払ってお礼を言い、参道に戻りつつそれを頬張る。 チョコの甘さとバナナのどろりとした甘味が……って、この味は何処かで……。 「よく考えたらこれ、チョコバナナと被ってるじゃない。なんだか同じもの食べてる感じだわ……」 「ドジだなーかがみは。私はちゃんとそれを考えてイチゴを選んだんだよ」 こなたはクレープを両手で持って少しずつ、それこそ小動物のように食べている。 愛くるしさが身体全体から溢れだしているようだ。 繋いでいた手を離したのは残念だけど、片手じゃ食べづらいから、仕方がない。 しばらくぼーっと見つめていると、不意にこなたが顔を上げて、こっちを見てきた。 また何か言われるのかなと身構える。 すると急に、目の前にイチゴのクレープが突き出された。 「はいかがみ、あーん」 「誰がするか! 誰かに見られてたらどうするのよ」 「こんな所誰も見てないって。それに、他の種類のクレープを食べてみたいんでしょ」 「そ、それは……」 「恥ずかしがらなくてもいいって。ほら、あーん」 「……あ、あーん」 イチゴの酸味と甘味、生クリームのとろけるような柔らかさ、生地の温かさ。 そしてこれは……こなたとの間接キス、ってこと……。 もちろん私が食べたクレープをこなたも食べるんだから、こなたも私と間接キスしたわけで……。 そう思うなり、突然胸がうずうずしてきた。何ともいえない、不思議な気持ち。 これが何なのかは分かってる。でも、 こんなことでひそかに悦に浸っている自分が、情けなく思えてきた。 何やってるんだろうな、私。 手を繋いでたのだって、こなたとはぐれないようにする為。 いわば保護者みたいな感じだ。 結局、何も進展していない。 自分のクレープを一口、かじる。 「ねぇ、かがみ」 「ぇ、何?」 不意に声をかけられて、思わず生返事をする。 こなたは胸の前でクレープを掴んで、私を見上げていた。 少しだけ微笑んだ表情で、 「おいしい?」 「……ええ。とっても」 「そう。良かったぁ」 こなたが安堵の吐息を吐いたのが、空に消え行く白で分かる。 こなたは私をここまで連れてきてくれた。それは多分、私に食べて欲しかったから。 やっぱり提案した側としては、こういうことしたくなるのかしらね。 だから、気の利いた言葉が浮かばないけど、 「こなた……ありがと」 「……うん」 こなたの表情は、逆光になってよく見えなかった。 その代わりに目にはいった参道は、端から見るとそれこそ川の水が全て人になったような感じだ。 今まであの中にいたのかと思うと、ぞっとしてくる。 かといって、ここにじっとしているのも時間が惜しい気がする。 「じゃ、戻りましょ」 言って、流れに加わろうとしたその時、 「待って!」 いきなり左手を掴まれた。 こなたが凄い力で私の手を握って、引きとめていた。 「手繋ぐの、忘れてるよ。またはぐれたらどうするの?」 「あ、ごめん。……これでいい?」 痺れる手に力を込めて握り返す。 表面の冷たさと、芯の温かさが伝わってくる。 こなたの小さな手を、今度は私が包み込んだ。 すっかり冷えた肌を温めるように。 夢でも幻想でもない、リアルな感覚。 まだ繋がっていられる。肌を感じていられる。 それがとてつもなく嬉しかった。 いつまでもこうして、こなたと歩いていきたい。 どこまでも続いていくような参道の先を見つめながら、そんな希望を、胸に抱いた。 ● 境内までの道を往復するのは、あっという間だった。 闇の中に続いている参道の終わりまで辿り着くのに、時間はかからなかった。 そこにあるのは現実の閑散とした暗さだけ。 夢のような祭りの光と、現の闇の境界線。 外の人々は名残惜しそうに、足取り重く帰路についていた。 それを見送り、振り返って、元来た道を戻った。 もう、後はお参りするだけ。それだけで、こなたと二人きりの夢のような時間も終わりだ。 後十五分もあるだろうか。 もう私たちには、ほんの僅かな時間しか残されていなかった。 ……このまま、幻のまま、終わらせていいんだろうか。 きっと今日が終われば、もうこなたと手を繋ぐなんてこともないだろう。 夢幻の世界だからこそ叶えられた夢。 今じゃないと出来ないことがあると思う。 いつもと違う空気。いつもと違う光。いつもと違う音。いつもと違う雰囲気。 今を逃せば、もうチャンスは巡ってこないだろう。 この気持ちもいつもとは違うから、いつもに戻ったらきっと言い出せない。 多分、これが終わったら今の気持ちがいつもになる。こなたが好きだっていう気持ちだけが残る。 だから……、でも……。 「かがみ、何やってるの? 早く行こう」 「……え、ええ」 こなたに引っ張られるようにして、巨大な鳥居をくぐり、手水舎の横をすり抜け、門をまたいで奥に進んでいく。 拝殿までの通路は広く取られていたが、そこを埋め尽くすほどの人が、そこにいた。 携帯の液晶を見ると、もう十時前だった。 今日はいつになく時の流れが速い。 どうして、楽しい時間は早く過ぎ去ってしまうんだろう。 自分の感覚が恨めしい。 さすがに夜も遅くなってきたせいか、さっき見たときに比べると、幾分か参拝客は減っていた。 人と人の間にも、僅かな間隔が生まれている。 多少スペースが取れるようになっただけで、大して変わってないけどね。 終点である拝殿前の階段は、それでも人でいっぱいだった。 鈴の数が少なくて、それが混雑の原因になっている。 賽銭箱に次々と投げられるお金が、強力な白色の電灯に反射してきらりと光った。 「フード付きのコートでも着て前の方に立ってたら、すごい金額が手に入るんじゃないかな」 「あんた罰当たるわよ!」 「冗談だって。かがみはお賽銭何円入れるの?」 「え? まぁ、十円くらいかしらね」 「うわ、ケチだねかがみ」 「な、何よ、普通これくらいでしょ。あんたはいくら入れるのよ?」 「五円」 「少なっ! 私の半分じゃない」 「だってお賽銭なんて、何の得にもならないじゃん。これくらいで十分だよ」 「あんた言ってることがさっきと違うぞ」 「臨機応変といって欲しいね」 ほとんど身動きも取れないまま、前進していく。 いつの間にか、前後左右は背の高い大人に囲まれていた。 自分の位置もろくに把握できず、ただ背後からの圧力で身体が押し潰されそうだ。 「わっ、か、かがみっ」 不意に後ろ向きの波が生まれ、こなたがそれに揉まれて私と離れそうになる。 「こなたっ!」 急いで手に力を込めて、私の隣に引き寄せた。 こんなところで一度離れ離れになったら、そのままどんどん引き離されてしまうことだろう。 「大丈夫?」 「うん。ありがと、かがみ。助かったよ」 「こ、ここは特に人が多いんだから、はぐれちゃったら小さいあんたじゃ、すぐもみくちゃにされるわよ」 何言ってるんだろうな。 素直に受け止めたらいいのに、どうしてもそれが出来ない。 「わ、また私が気にしてることを! ……でも、かがみが守ってくれるから平気だよね」 「だ、誰があんたなんか……」 「照れちゃって~、かがみはやっぱり可愛いねー」 「う、うるさい!」 図星でも、それを認めるのが恥ずかしいから、否定する。 そうやって、いつも本当の自分を隠してきたのかもしれない。 でも、こなたには、そんな私の人に見せない気持ちも見透かされていた。 本当の私を理解してくれている人。 だから……。 前が開けて、鈴を鳴らす太い縄と、大きな賽銭箱が目に入る。 繋いだ手を外して、十円を投げ入れ、鈴を鳴らし、二拍手して拝んだ。 隣のこなたもそれに習う。 この神社に何のご利益があるかは分からないけど、願うことは一つだけ。 ――こなたと……。 きっと、この気持ちは抑えられない。 だから、もやもやした想いが残るくらいなら……。 ――私に、自分の気持ちを伝える勇気をください。 ● 「かがみは何お願いした?」 「え、まぁ……色々よ。あんたは?」 「私? 私も……色々だね」 「何よそれ」 階段を下りて、敷石の上を歩いていく。 手は、離したまま。こなたが求めなかったから。 ……人も少なくなってきたし、もう必要ないわよね。 今まで温もっていた左手が、風に晒されて冷たい。 指を動かしてあの感触を求めても、掴み取るのは虚空だけ。 隣にいるのに。 「あ、私ちょっとトイレ行ってくるね」 こなたは言うが早いか走り出し、人ごみの中に溶け込んでいった。 追いかける間もなく、一人取り残される。 こなたは、あっという間に私の元から離れていってしまった。 またすぐに戻ってくるのに、なんだかそれが酷く寂しい。 溜め息をついて、肩の力を抜いた。 久しぶりに一人になって、今日の出来事が走馬灯のように蘇ってくる。 こなたと話したこと、歩いたこと、手を繋いだこと……。 どれも鮮やかに刻まれている、大事な記憶。 これを糧にすれば、またしばらくは頑張れるかな。 ……そういえば。 遡るように思い出していって、ふと、気づいたことがある。 この祭りは何を祈願してるんだっけ。 さっきは結局うやむやになってしまって、みゆきから聞きそびれてしまっていた。 気づかなかったけど、よく考えたら、あの時のこなたは様子がおかしかった。 まるで何かを隠しているような……。 二人で楽しんでいるのに水を差すことになるかもしれないけど、どうしても気になって、みゆきに携帯で電話してみた。 数回のダイヤル音。 「……もしもし」 「あ、みゆき? 今電話、大丈夫?」 「かがみさんですか? ええ、構いませんよ」 みゆきの声には、周囲のノイズとともに、聞き取れないけどつかさの声も混じっていた。 一呼吸置いて、 「このお祭りって、何を祈願してるの?」 「さっきも仰っていた質問ですね。 このお祭りでは、無病息災、五穀豊穣、商売繁盛、家内安全、それに縁結びと諸願成就を祈願しているんですよ」 「……そう、ありがと。じゃ、邪魔しちゃ悪いからもう切るわね」 「はい。頑張ってください、かがみさん」 後ろの方で、お姉ちゃん頑張れーというつかさの声が聞こえた。 その残響を耳に残しながら、携帯をしまう。 こなたは何でここの祭りに私たちを誘ったんだろう。 本当に、ネットのニュースで見たから? 分からないけど、でも。 ……決めた。 「お待たせ。いやぁ~凄い行列でさぁ」 小走りで駆けてくるこなた。その顔に浮かんでいる微笑。 きっとこのまま何もしなければ、私たちの関係はずっと続いていく。 友達として、多分、いつまでも。 楽しく、ふざけながら笑い合えると思う。 でも、それで私は満足できるの? 今じゃないと出来ないこと。それはたった一つ。一つだけ。 「こなた」 「え、何?」 「……来て」 ● 人で溢れた境内とは裏腹に、奥の林は静まり返っていた。 背の高い木々の枝は垂れ、狭い空間をより狭く見せている。 薄闇の中には外灯もなく、ぼんやりと近くが見える程度。 祭りの光も届かない。 たださざめきが、遠くから小さく聞こえていた。 そんな、不思議な場所。 でも。 隣にいるのにこなたは、何も喋らない。 私もなんとなく話しづらくて、何も言わない。 会話のないまま、ただ並んで立っている。 途切れることのない外の微かな喧騒を聞き、誰もいない世界にいるような錯覚を得た。 だから、注意は外面ではなく内面へと向かう。 真っ白になった意識が研ぎ澄まされていく。 こなたはここにいる。 手を伸ばせば届くし、抱きしめることも出来る距離。 向き合えば息がかかる距離。 十センチにも満たない距離。 そんな、ほんの僅かな隔たりの先に。 でも。 こんなに近くにいるのに、心は重ならない。 自分が動かないといけないのに、口の中が乾いて声が作れない。 何か言わなきゃ、そう思えば思うほど、何も出てこない。 ただ時間だけが過ぎていく。 遠くの祭りが徐々に終極に向かっていく感じがする。 「見て」 静かな闇の中に、声が響いた。 それは小さくてもはっきりと耳に聞こえ、すぐに風に乗って消えていく。 ここまで歩いてくる時も、ここに来てからも、聞けなかったこなたの声。 「星が、綺麗だよ」 横を見ると、こなたは顔を上げて上を眺めていた。 釣られるように、木々の開けた向こうにある空を見上げる。 暗い夜空の天辺には、小さな光がいくつも輝いていた。 端っこには、小さく欠けた月。 「……そうね」 そして目に入るのは、二つの光。 ここから見れば二つの星はくっつきそうだけど、本当はその間には何十光年もの距離がある。 遠い、気の遠くなりそうな道のり。 そしてどちらも動かず、近づくことはない。 私も、この距離を、隙間を埋めれない。もう少しなのに、これ以上近づけない。 抱きしめることも、向き合うことも出来ない。自分から手を繋ぐことすら出来ない。 私が、後一歩を踏み込めないから。 前に乗り出す勇気がないから。 私は、いつもそうだ。 自分の気持ちを、知らないうちに抑え込んでる。 それは、相手に拒まれるのが怖いから? 本当の自分を見せるのが恥ずかしいから? そんなのじゃ駄目だ。 もう、逃げるわけには行かない。 神様にもお願いしたんだ。勇気をくださいって。 だから、大丈夫。 しなかった後悔より、した後悔の方がきっといいはずだ。 多分、これが最初で最後のチャンス。 日常に戻ったら、二度とやってこない。 こんな夢のような世界だからこそ、実現できる願い。 今じゃないと出来ないこと。 今、出来ること。 こなたに、自分の気持ちを……伝えよう。 「あ、あのさ……」 「……何?」 振り向けなくて、ずっと見つめるのは遠くの空。 夜の風は立ち止まったままの肌に冷たく、木々の枝葉が大きく揺れた。 胸がドキドキと、凄い速さで脈打っている。 言おう、と思う。……言おう。 「わ、私! ……私ね」 こなたのことが、好き。 大好き。 ……今日まで気がつかなかったけど、ようやく、分かったの。 私にはこなたが必要なんだって。 こなたといると、いつも楽しかった。 もちろん、今日だって。 頭に浮かぶ、こなたの顔。 同時にこみ上げてくる、熱いもの。 可愛くて可愛くて、それでいて誰よりも私のことを分かってくれてる。 確証はないけど、そう思う。 だから、こなたといると安心出来た。心のよりどころだった。 思い切りつっこめたのも、こなただから。 こなたなら、笑ってくれる、分かってくれる。 そうやって、いつの間にか私は、こなたを求めてた。 ずっと一緒にいたいと思った。 私を受け止めて包んでくれる、こなたと……。 こなたとなら、そのままの私でいられるから。 何て言えばいいんだろう。 思いは溢れてくるのに、言葉にならない。 でも、溢れる思いは止まらない。 ほんの少し。 顔だけを横に向けて、こなたを見る。 目が合った。 思わず逸らそうとするけど、それに気づいたこなたは、 小さく笑った。 月の光に照らされたその笑顔は、とても怪しくて、 落ち葉を踏みしめて、向き合う。 そして一歩前に出て、 抱きしめた。 精一杯の力で。 包み込むというより、すがりつくように。 冷たくなった身体を、温めるように。 「……ずっと、気づかなかったの。好きな人がいるってことに。 すぐ近くにいたのに。いつも傍にいたのに。 ……でもね、今日、ようやく分かった。お祭りが、教えてくれた」 それは今しか、この雰囲気の中でしか言えないから。 「大好きだよ……こなた」 ……言えた。 この先どうなるのかは、もう分からない。 でも、どうなっても悔いはないと思う。 これが、私の精一杯だから。 ……こなた。 「!」 不意にこなたが、抱きしめていた腕を解いた。 そして、私と少し距離をとる。 それは、どういう……。 「かがみ」 私の名が呼ばれる。 だから、その声に、耳をすませた。 「……私も」 落ち葉を踏む、心地の良い音。 それが、一回、二回……。 「私もかがみが大好きっ!」 飛び込んで、 抱きついて、 しがみついてきた。 私を見上げてくるこなたは、いつものにやにやした笑いとは違う、はにかんだような笑みを見せた。 私も、釣られて笑う。 星と月に見守られた薄明るい林の中で、ずっと、そうしていた。 ● 「かがみ、このお祭りが、何を祈願してるか知ってる?」 「……知ってるわよ」 「そっか……」 「じゃぁ、私が神様に何をお願いしたか分かる?」 「分かるよ。かがみの考えそうなことだもの。……私のは?」 「分かるわよ。こなたが考えそうなことでしょ」 「……私ね、ここ、下見に来てたんだよ。どういうお祭りかも調べて、参道も歩いてみて、近くのお店も見て回って……。 お祭りの夜を、かがみと一緒に過ごしたかったから……」 「ええ……こなたのおかげよね。……ありがとう、こなた」 「ううん。こっちこそ、ありがとうね、かがみ」 境内に戻ると、まだ祭りは続いていた。 音も、光も、活気も、未だ衰えていない。 人は幾分疎らになってたけど、それでも十分多かった。 また、祭りの中に加わる。 提灯、外灯、遠くの屋台。 話し声。歩く音。鈴の響き。 それらが出迎えてくれて、周りは急に騒がしくなった。 どちらが先かは分からないけど、 手を差し出して、お互いの指を繋ぎあう。 感覚の研ぎ澄まされた指先が、こなたの指先に触れて、ぴりっと痺れた。 身体は凄く熱くて、でも、とても気持ちが良かった。 嬉しくて、夜中の風すら、心地よいと思えた。 「これが夢で、今日が終わったら現実に戻ったりなんて、しないわよね」 「そんなわけないじゃん。かがみは心配性だねぇ」 「でも、不安になるのよね。……こんなに幸せでいられると」 「かがみのおかげなんだから、そんなに謙虚にならなくていいんだよ」 それに、とこなたは言って、 「これで終わりじゃないんだよ。これから、作っていくんだから。 たくさんの、夢みたいで楽しい時間を」 今いるのは、夢のような、不思議な雰囲気の世界。 隣には、こなた。 これが、最初の二人の時間。 きっと、これからも、こなたは私のそばにいる。私はこなたの傍にいる。 この特別な日が終わっても、ずっと。 だから、徐々に終極に向かいつつも、まだまだ終わらない祭りの中を歩いていく。 祭りの喧騒の一員として。 祭りの調べの一翼として。 こなたと一緒に、 奏でていく。 コメントフォーム 名前 コメント GJ!!(≧∀≦)b -- 名無しさん (2023-01-05 14 53 08) 全身雷に打たれました -- 名無しさん (2009-08-18 00 30 02) 凄く、凄くいいです。 私、感動しました(ノ_・。) -- 無垢無垢 (2008-11-30 23 13 38)
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「うぅー! 遅刻、絶対遅刻しちゃうよー!!」 朝からけたたましく叫びながら私は一生懸命自分の蒼髪を櫛で梳かしていた。 お父さんの血も受け継いだ私の長髪はクセが強く、毎朝毎晩こうやって念入りに手入れをしないと、すぐにあらぬところが跳ねていってしまうのだ。 本来ならゆっくり時間をかけてやりたいところなのだが、今日は特に時間がない。 今日、お父さんは出張に行くから朝が早いのを忘れてて、すっかり寝こけてしまっていた。 結果、起こしてくれるものが他にいない私に、時間という現実が突きつけられてしまったのだ。 鏡を見ながらうんうんと唸る私を、まるで笑うかのように頭上のものがゆらゆら揺れる。 頭にぴょこりと生えているこのアホ毛だって、そうだよ。 別に私は好きで生やしているわけじゃない。 そういえばかがみに、このアホ毛はセットするのに一時間位かかるんだぁって豪語したことあったっけ?まあ、半分だけなら正解かな。 これを無くす作業に一時間くらいは掛かるから。 それでもせっかく気合を入れてセットしても、かがみに朝、会うころにはいつの間にか元の場所に鎮座してしまうため、私はもうあきらめて、彼女との一生の付き合いを覚悟してしまっていた。 いいもん、萌え要素…萌え要素なんだから! しかし…これ以上時間をかけたら流石に間に合わない。 いつも朝は特別な用事がない場合、駅で柊姉妹と待ち合わせてから一緒にバスに乗る。 学校にギリギリ間に合う便の一本手前、その便まで私が来なかった場合、問答無用で置いて行かれるのが、私と柊姉妹との暗黙の了解だった。 さて…今すぐ出ればまだ間に合う。 でも、まだ髪の手入れは半分も終わってない。 …どうしよう? う~ん 私は心の天秤と相談する。 髪をあきらめてかがみ分を補給することを選ぶと、髪がぼさぼさのまま。 きちんとセットしていくことを選ぶと、かがみとはお昼まで会うことが出来ない。 むぅ~……うん。かがみとの時間には変えられないかな? 天秤の大きく傾く音とともに、私の脳内で何かが一瞬よぎった。 こ、これは…! 「…こなたの髪?」 ああ、これはやばい。 「あんたの髪って綺麗よね…」 昨日の… 「いい…香りがする…」 ーーーーーごふぅ! 昨日見た情景。 それが若干脳内補完され、ありありと鮮明に映し出された。 私を抱き寄せてからそのまま顔を私の髪に埋める形でキスをするかがみの絵。 正直破壊力ありすぎです、かがみ様。 天秤の壊れる音。 気が付いたら私は一生懸命に髪の手入れを始めていた。 ああ、なんだか最近のわたしはおかしい。 こんなキャラじゃなかったのに。 これが恋は人をかえるってやつなのかな? なんにしてもこれでバスには間に合わない。 かがみとの楽しい登校が… かがみ分の補給が…あぁ… …これもあれも全部かがみが悪い。 かがみが昨日あんなことするから昨日の夜だって…そう。 思考をするたび思い出し、悶々としてぜんぜん寝ることなんて出来なかった。 結局、床に就いたのは朝の5時。 そのせいで朝、起きれなかったんだし、それに今だってそう。 あんなことを言われたら、もっと綺麗にしたいとか思っちゃうじゃん。 あぁ、やっぱり全部かがみが悪いんだ。 よし! 私はすくっと立ち上がり、鏡に人差し指を突きつける。 「まっててね、かがみぃ。 お昼にはいっぱい、遊んであげるからね」 そう鏡に宣言する。 私を弄った罰だ。よし何を言ってからかってやろうか。 昨日のことでも面白そうだね。 冷静に考えてみると、かがみもぜんぜん覚えてないって反応でもなかったしね。 少しでも心当たりがあれば、きっと期待以上の面白い反応が返ってくるはずだ。 うん。 遅刻のことでさっきまで沈んでいたココロが嘘みたいだ。 雲を抜けた太陽が周りをいっせいに照らすように、暖かな感情に満ちてくる。 はは、私って単純だね。 さあ、準備は出来た。あとは学校に着くまでが戦いだ。 出来るだけ面白いネタを考えとかないと、かがみの笑顔が見られないよ。 私は元気よく玄関の扉を開ける。 空は私の気持ちと同じくらいの、快晴。 今は6月の終盤で、もう日差しに夏の勢いを感じさせはじめていた。 これから先は私の季節。 私の一度しかない高校二年生の、 かがみとの夏が始まったんだ。 Episode 1.5 - B END Episode 1.5 - A ~収穫期~へ コメントフォーム 名前 コメント (≧∀≦)b -- 名無しさん (2023-07-04 13 15 41) 投票ボタン(web拍手の感覚でご利用ください)
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最近の私は自分のことがよくわからない。 わからないからといって今の生活に支障があるわけでもないし、学校も普通に過ごせてると思う。 あくまで自分視点だから推測でしかないのだけど。 でも確かに違和感を覚えるのだ。 それが何なのか、何に対してなのか全然わからない。 わからないから悩む。 そして悩んでる時はあんまり頭に周りの情報が入ってこない。 今のように。 私の目はパソコンに向かっているのだけど何をしているのかよくわかってない。 機械のように手を動かして目を向けているだけだ。 あーあ、このゲームそれなりに楽しみだったはずなのになぁ。 新しく買ったこのゲームをやりたいからって言って 遊びに来たかがみを放って置いてまでやってるのに。 ―――何してるんだろう私。 こんなことならゲーム止めようかなとも思うのだけど、 こんな状態じゃかがみと普通に話せない気がしてゲームを続ける。 でもかがみに話せば解決するんじゃないかと思っても、 内容をまとめられないので話してもわからないだろうと思いゲームを続ける。 さっきから解決しない疑問ばかりが増えていってぐるぐると頭の中を太陽系みたいに回る。 でも肝心の太陽がなんなのかわからない。 あ、もう一つ疑問が増えてしまった。 また一つ惑星が増えてぐるぐると回り始める。 もう駄目かなーなんて考えていた時。 ぽろ… ―――え? なんで泣いてるのとか、私なにかしたのとか。 そういうのが頭をよぎるのに混じって私の冷静な部分が違うところで驚いていた。 これだけはすぐに気が付いたことに。 でも今はそんなことよりかがみに泣き止んでほしい。 かがみにはいつでも笑っていてほしい。 そんなある意味で自分勝手な考えが生まれてかがみに押し付けようとする。 ―――かがみは私の物じゃないんだ! かがみだって笑うだけじゃなくて、泣いたり、怒ったりしなきゃいけないんだ。 私の都合のいいように変えちゃ駄目なんだ。 こんな私の理想を押し付けちゃ駄目なんだ。 でも泣いてなんてほしくない。 そう思うのくらいは許してほしい。 だから… 「どったのかがみん?」 いつもみたいにふざけた口調になるのは許してほしい。 でもこれで泣き止んでくれるなら… そう思って言ったけれどむしろ悪化したかのように見えた。 ―――私のせいなのかな。 そう思うなら何もしない方がいいかもしれない。 でも私が泣き止ませたいなんておかしなことを考えてしまう。 「ねぇ、本当にどうしたの?」 「なッ…んでも…な…ぃから」 そんなこと言われたらますます心配になってしまう。 何とかしてあげたい気持ちも大きくなっていく。 でも私なんかには何も出来ないのかもしれない。 だからさ誰か教えてよ。 私なんかでも出来るかがみを泣き止ませる魔法を。 ギシ… 私はそっと隣に腰掛けた。 「ねぇ、かがみ。言いたくないことだったら言わなくてもいいけどさ。 でも私はかがみのこと親友だと思ってるし好きだよ。 だから我が儘かもしれないけど本当のこと聞きたい。それに……」 私のせいなら何も言わなくていいから拒否してよ。 かがみが嫌がってるのなんかすぐわかるから。 「かがみ…」 ―――ペロッ 「――――――ッ」 こんなことはきっとかがみは望んでないし、 これから言おうとしてるのもたぶんかがみが望んでる言葉じゃないだろう。 「かがみ。これは―――」 ―――でも私はこんなことしか言えないから。 「……嘘を付いてる味だね?」 「………」 「………」 「くっくっくははは!」 「…あはっ、はははは!」 よかった。 こんなことしか言えない私でも、かがみが望んでる言葉じゃなくても。 かがみを泣き止ませることが出来るんだ。 それから馬鹿みたいに笑った。 さっきまでの疑問が全部どうでも良くなるくらい。 頭を空っぽにして笑った。 「あー1ヶ月分くらい笑ったわ」 「じゃあこれから1ヶ月はかがみんの笑った顔を見れないんですかなー」 「いや物の例えでしょうが」 よかったかがみが普通に話してくれてる。 私の方も笑ったせいなのか頭の惑星が全部どっかに吹き飛んでいってしまった。 そんなことが嘘みたいにどうでもいいように思える。 「まあ私が笑わせればいいんだけどねー。わきわき」 「自分で効果音つけるな!」 でも太陽だけは私の頭から消えてはくれなかった。 魔法の言葉 ~かがみ~ コメントフォーム 名前 コメント GJ!!(≧∀≦)b -- 名無しさん (2023-10-10 12 44 11) 続編待ってまぁす! -- 白夜 (2010-04-08 23 00 52) 続編楽しみにして待ってます! -- haru (2010-04-04 00 09 32) シリーズ物って事で、なにやら大作の予感がします。いきなり作品の世界に引き込まれました。 作者様、続き待ってますね。 -- kk (2010-04-03 19 47 53) 投票ボタン(web拍手の感覚でご利用ください)
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らき☆すた OVA こなかがEdition ~そのソロ狩りの裏側で~ TUKASA 家族で温泉に行くんです。だから、ゴールデンウィークはほとんどいないと思います。 つかさのメッセージがPTチャットに表示された。 そう、私たち柊家は明日から温泉旅行に行く予定だ。 KONAKONA:あー、私もゆーちゃんつれて出かける予定。 KONAKONA:混んでなきゃいいけどねー こなたのメッセージが表示された。 そう、こなたたちもGWは出かける。 でも、私にとってその話は初耳でもなんでも、なく1ヶ月前から聞いていたことだった。 KAGAMI:それじゃあ、明日は楽しみにしてるわ。 私はチャットにメッセージを打ち込んむ。 これは個人チャット用。つかさたちのメッセージが表示されているPTチャット画面には表示されない。 画面を切り替えて個人チャットの表示を確認する。 「よし、表示されてる。」 「個人チャットとPTチャットをいっぺんに使うときは、誤爆に気をつけないと駄目だよ。 大変な事になるからね。」 なんてこなたが言っていた事を思い出す。 確かに、これが先生達に聞かれたらまずいよな~。 さて、今日はもうお終い。 こなたたちにお別れのメッセージを打ち込み、ゲームを終了させパソコンの電源を切る。 ああ、本当に明日が待ち遠しい。 今は午後5時。つかさたちも宿に到着し、のんびり温泉にでも浸かっている頃だろう。 でも、私は一人自分の家の居間にいる。 「もうそろそろかな?」 そう思いながら、時計をもう30分以上見つめ続けている。 時間の進みの遅さに苛立ちを感じ始めた頃、ようやく幸せの音が携帯から流れ始めた。 こなただ。 「やふー、かがみん。ようやくついたから開けてよ。」 「すぐ行くから、ちょっと待ってて。」 自分の部屋ではなく、1階の居間にいた為すぐに玄関にたどり着く。 そしてドアを開けると、そこには待ちに待ったこなたが立っていた。 その横にはお泊り用の荷物を置いて。 「お待たせ、かがみ!はい、これお土産。クッキーだよ。」 「おお、いいね。後で一緒に食べよう。さあ、中に入って。夕食も作ってあるわ。」 「かがみが作ったのか…味とか大丈夫?毒見とかした?」 「あんたはそんなに私を料理下手なキャラにしたいのか? 大丈夫よ、今回は本当に自信作だから。」 うん、本当に自信作。つかさにだってきっと負けない。 「そっか。なら大丈夫だね。期待してるよ!」 こなたの笑顔に、私も笑顔でこたえた。 「つかさとかにバレなかった?」 料理を食べながら、こなたがそう聞いてきた。 「大丈夫よ、うまくいったわ。現に誰もいないでしょう。」 「それもそうだね!私の方もうまくいったから大丈夫だよ。」 話は一ヶ月前に遡る。 私がこなたに温泉旅行の話をすると、こなたが 「それじゃあさ、かがみがわざと居残れば、私たちかがみの家で二人っきりだね。」 と言い出したのが、そもそも始まり。 さすがにそれは…とも思ったのだが、こなたが 「そうすれば少し早い新婚生活を堪能できるね。」 なんて顔を赤らめて言うものだから… それで、この計画、この結果。 私は頭が痛いと仮病を使って自分の家に残り、こなたは私の家に泊まるといってやってくる。 家族を騙すのはかなり気が引けたが、この『ふたりっきり』『新婚生活』という超魅力的な提案に、 私の常識、それに理性はどうしても打ち勝つことが出来なかった。 それに今の私は、家族の思い出よりも、こなたとの二人きりの思い出が欲しかったのも事実だ。 ちなみに、こなたが来るのが遅かったのは、昼はゆたかちゃんと遊びに出かけていたから。 そう、こなたの外出は一日だけだったのだ。 どうやら先生は勘違いしてたみたいだけど。 チャットでその事を話したら、 「別につかさと違って、GW中ずっとだなんて言ってないじゃん。先生が勘違いしただけだよ。」 という返事が返ってきた。 まあ、それもそうよね。 「はい、かがみ。あ~ん」 こなたはそういって、箸を私の口の前に差し出した。 「ええっ!ちょっと恥ずかしいわよ!」 「いいじゃん、誰もいないんだし。それに新婚生活だよ!」 「…それもそうね。」 そう、今日はだれもいない。だから思う存分イチャイチャしていいのだ。 「そうだよ。はい、あ~ん」 「あ~ん。」 私はこなたが差し出した料理を食べる。自分が作った料理ながらおいしいわ。 さて、それではこっちもお返ししなければ。 「それじゃあ、こなたも。あ~ん」 こなたがやったのと同じように、私もこなたに料理を料理を差し出す。 「あ~ん。」 そして、こなたも私と同じように差し出した料理を食べる。 「おいしい?」 「うん、かがみの作った料理なら何でもおいしいけど、今日のは特においしいよ!」 なんて、とびきりの笑顔で答えてくれるもんから、こちらの顔もついにやけてしまう。 …ああ、柊かがみ。今とても幸せです。 しかも今日一日の幸せじゃないんだ。 そう、黄金の週間はまだ始まったばかりなんだから。 らき☆すた OVA こなかがEditionそれぞれの感情 夢の続き スポ根の舞台裏 星に願いを 寄り道の夜 コメントフォーム 名前 コメント (≧∀≦)b -- 名無しさん (2023-05-31 16 52 24) 新婚生活っぽいこなかがはすごく良いです!! -- 名無しさん (2010-07-24 23 23 06)
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今、陵桜学園の卒業式が終わった。とうとう私たちは卒業することになる。 「今日でこの学校に来るのも最後ね…」 「そうだね…」 さすがに卒業となると、こなたも寂しそうだ。 「いろんな思い出があるもんね。海へ行ったこと、花火大会に行ったこと、 あんたの趣味に付き合わされてしょっちゅういろんな店に行ったこと、学園祭…」 「かがみは忘れちゃだめだよ!」 「忘れないわよ…絶対」 「ホント、楽しかったわよ。こなたとばっかり一緒にいた気がするわ…」 「うん…」 「かがみぃ…えぐ、えぐ、うぅ…」 こなたは涙をぼろぼろこぼしている。目が真っ赤だ。 「別れちゃうのやだぁ…やだよぉ…かがみぃ…!!」 「ずっと一緒にいたいよぉっ…!」 こなたがわんわん泣き出した。普段はあんなに明るい子なのに…こんな子供っぽいところが あるんだなって思った。 そしてこなたが、こんなにも私のことを想ってくれて、求めてくれるのがほんとに嬉しかった。 私は、こなたをこれ以上ないというくらいの優しさと気持ちをこめて、きゅっと抱きしめた。 「こなた…」 改めて小さい子なんだと認識させられる。だから私がそばにいてあげなきゃ。 「ふえぇ…ぐすん、ぐすん」 私はこなたの頭を撫でてあげた。 「よしよし。今はしっかり泣いていいのよ。でも私は笑顔のこなたが一番好きだから だから…あとでちゃんと笑顔見せてね!」 「ぐしゅ…へへ…うん!」 こなたは涙だらけの顔で少しだけ笑ってくれた。 「かがみ…」 切ない表情で私を見てくるこなた。可愛い…。 「ひとつお願いがあるの…」 「いいわよ、なんでも言ってごらんなさい」 「んと…わたしと……ちゅーして。」 「え…えぇ!?」 「女同士だけど、もう耐えきれないよ…! ずっと我慢してきたんだよ…!! かがみのこと本気で大好きなんだよっ!!!」 泣きながら必死に想いをぶつけてくる。 私は考えた。こなたへの想いが愛情となるかどうかを確認した。今まで避けてきた事を。 「かがみぃ…お願い…」 必死に懇願するこなた。 私の心はすぐ決まった。…あるに決まってるじゃない!私だってずっと前から…! 「いいわよ…キスしてあげる…私もこなたのこと好きよ。今までは…恥ずかしくて そんなこと深く考えようとしなかったんだけどね」 私は照れくさそうに笑って応えた。 「…」 こなたが爪先立ちして…そして…私の唇と…こなたの唇が重なる… とても優しくて…甘い時間だった。 「ぷは」 こなたの方から唇を離す。そうよね。爪先立ちじゃ大変だよね… 「今度は私の方から…」 こなたの頬を両手で包み込む。こなたの赤くなってる顔がさらに熱くなってくのが分かる。 お互いの吐息が重なり…そして二度目のキスをする。 「ん…」 「ちゅっ…くちゅ、ちゅ…」 こなたが私の口の中に舌を入れてきた。 「んむ!んん…んん…!!」 突然のことで驚いたけど、私は頑張ってこなたの舌と交わらせる。 「ん、くちゅ…ちゅっ、ちゅ…んぅ、んん…! …はぁはぁ…」 どのくらいの時間していたのだろうか。すごく長い間していた気がしてまた恥ずかしくなる。 こなたはお願いを叶えてもらったのにどこか寂しげで、また涙を流している。もうすぐ 別れると思っているのだろう。 でも、こなたは私がどれほど…あんたのこと好きだったかなんて知らないでしょ? こなたはいっつもからかうようにしてくっついてきたけど…私は…本当に大好きで 大好きで…たまらなかったんだから…! こなたの方は私のことどれくらい好きなのかは分からないけど…きっと私の方が 愛してる…と思う! 絶対あんたのこと離したりなんかしないから…! そんな寂しい顔しないで…こなたには、ずっと私のそばで笑っててほしいの! だから… こなた… …一緒になろう。 「えっ…?」 こなたが突然の言葉に驚く。無理もない。今日やっと告白したのに、そんなことを 言うのだから。 でも私は勢いなんかで言ったんじゃない。 「かがみ…それって…」 「い、言っとくけどね、これは『約束』だからね! 何も今すぐにしようってワケじゃないのよ! まずは…二人で一緒に住みましょ。こなたとだったら…絶対うまくいくわよ。きっと 楽しいことがたくさんあるはずよ!」 「えへへ…かがみからプロポーズされるなんて思わなかった…」 「き、気持ちが大きくなり過ぎちゃって…つい…」 「でも嬉しいよ!!今までずっと『かがみは私の嫁』だって言い続けた甲斐があったヨ!」 「ふふっ…そうね」 「幼馴染みが子供の時に『将来結婚しようね』ってシチュがよくあるけど…私あれにずっと 憧れてたんだよ!」 「私も…そういうのに憧れてた…だから…ね」 こなたが心から笑顔をみせた。 「…約束だよ。かがみ!」 「…うん!」 私とこなたはゆびきりして誓った。 コメントフォーム 名前 コメント GJ! -- 名無しさん (2022-12-20 17 16 40) その内キスはエスカレート -- かがみんラブ (2012-09-23 19 03 08) とりあえず、「GJ!!」と叫びながら、ごろごろ転がってみます ラブラブはいいなぁ〜 -- 名無しさん (2008-09-12 11 32 25) 作者じt(ry 俺の脳内に原s(ry -- 名無しさん (2008-06-08 17 03 08) げほっごほっ…ニヤニヤが止まらない -- 名無しさん (2008-02-27 13 50 31)
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「そういえば、手袋がバックに入ってるかも・・・」 教科書や参考書でパンパンになっているカバンをおもむろにあさってみる。 しばらくして見つけた奥底に潜む1つの宝。 「あったよー。はい、かがみ。付けていいよ。」 「えっ!悪いわよ。あんたが付けなさいよ。」 いつでも私に気を使ってくれるかがみ。だからこそ、かがみに使ってほしい。 「いいから、ホラ、かがみん!」 「・・・分かった。じゃ、こうしよう。」 そういってかがみは右手の手袋だけ着ける。そしてもう片方の手袋を、私の左手に着ける。 「かがみ?」 「・・・こうすれば私もこなたも温かいでしょ?」 繋がる左手と右手。かがみに触れてる私の右手。手袋を着けている左手よりも、温かい。 「・・・うん。かがみの手、冷たい。でもあったかいね。」 「うるさい。恥ずかしいんだから、そういうこと言わないでよ・・・」 かがみの頬は桜色。季節はずれの桜は艶やかだ。 「ありがと、かがみ。でも、いいの?」 「・・・好きじゃなかったらしないわよ、こんなこと・・・」 静かに零れる詞。かがみの口から溢れた瞬間、消えてなくなりそうなぐらい、淡く、優しい言葉。 「・・・今なんて?」 「な、なんでもないわよっ!ホラ、さっさと行くわよ!」 「・・・うん。」 嘘ついちゃった。ホントは、聞こえてた。だから、その償い。 「好きだよ、かがみ。」 「・・・何か言った?」 「何でもないよっ!」 聞こえるか聞こえないかぐらいの、音。私の大切な想いを乗せた声は、凄く小さかった。 でも。 「・・・私も、だよ。こなた。」 小さくても、想いは届く。強く、優しく響く。そんなチカラを私は持っていた。かがみの左手はもう冷たくなかった。 とても、温かい。
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小ナタ 昼休み学校 「あんたの作ったから揚げ美味しいわね」(わけてもらった) 「おお、今日はいつになくデレ分の多めだ」 「茶化すな! 素直に受け取れ」 「へーへー。でもそれならよかったよ。今日の自信作だし」 「そうなんだ。ねぇこなちゃん、私ももらっていい?」 「いいよー」 「……わーほんとだ美味しいね! 味付けもちょっと薄めで、私好きだなぁ」 「つかさにほめられると照れるなぁ」 「あれ? でもこなたは濃い目のほうが好きだって言ってなかった?」 「あぁ、これゆーちゃんに合わせて作ったから」 「……ふーん」 「あの、かがみさん?(心なしか怒っていられるような……)」 「じゃあ、ゆたかちゃんのために作ってるようなものなの?」 (つかささん、気づいてませんね) 「うん。自分の分だけならわざわざ作らなくてもって感じだけど 誰かのために作るのは張り合いあるね(ほんとは姉の威厳とかもあるんだけど)」 「それわかるよー。料理ってそうだよね」 「……」 (ああ、お二人が意気投合されて、ますますかがみさんが不機嫌に) 「特にゆーちゃんたくさんほめてくれてうれしい――ってどしたのかがみ? 苦瓜噛み潰したような顔して」 「別に」 「(あれツッコまない。あ、もしかして……)ねぇかがみ」 「何」 「かがみはどんな味付けが好きなの?」 「え?」 「おねえちゃんはね――(むがっふぐ)」(みゆきに口をふさがれた) 「だから、好みだよ好み。他にも好きな食べ物とか、いろいろ」 「何で、そんなこと知りたいの?」 「んー、将来必要になりそうだから、かな」 「それって――」 「めんどくさがりな私でも、ずっと一緒にいたい人のためなら 美味しいもの作ってあげたいし……」 「こなた……」 「ほ、ほら早く教えてよっ」(顔真っ赤) 「……こなたが私のために作ったものなら、何でも好きよ」 「泉かがみと柊こなたなら、こなちゃんが家に来るほうが語呂がいいね」 「そうですね」 「こなちゃんがお姉ちゃんなって家に来てくれたらもっと嬉しいし」 「そうですね」 「ゆきちゃんどうしたの? おかず全然減ってない」 「ええ、ちょっと食欲が……」 337 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2008/06/28(土) 15 48 08 ID clbMs/9c 陵桜学園って土曜日に授業ありましたっけ? 公立なら休みでしょうが、私立ならありえるので 340 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2008/06/28(土) 16 27 56 ID rEVaQ4be 337 「土日は泊まりで夜通し遊ぶかー」(アニメ10話)の台詞からすると、土曜は休みっぽいけど 341 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2008/06/28(土) 16 35 23 ID clbMs/9c 340 おお、サンクス。 助かりました。 342 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2008/06/28(土) 16 36 43 ID j+EGFXOl 337 進学校という設定なので、土曜も登校学習会みたいな取り組みがあるかも。 あるなら、 こ「だる~い… 世間はお休みだってのに、何で土曜も登校なんてしなきゃいけないのさ」 か「あんたみたいな学生に少しでも学習時間を与えるためでしょ? 何度も言うように、受験生なんだから仕方がないでしょうが」 こ「う゛~。 かがみは何でそんなに元気なの? まったく…少しくらいそのやる気を私にも分けて欲しいよ」 つ「おねえちゃんは土曜日好きだもんね。 だって、登校学習会はクラス合同だからこなちゃんといっsy…むぐっ?!」 か「こ、こらっ!つかさ!?変な事言わないでよ!!」 み「(こなたにそっと耳打ちして)ふふっ、『同じ文系』ですものね」 か「み、みゆきまで何言ってるのよ!?」 みたいな会話があるに違いないと予想。 344 名前:342 投稿日:2008/06/28(土) 16 45 26 ID j+EGFXOl 340が言っている通り二年次は土曜日休みみたいだね。 342は三年次の予想です。 紛らわしくてごめんなさい(汗) 345 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2008/06/28(土) 16 47 29 ID clbMs/9c 342 登校学習会ですか 私は公立だったので、そのような会は無かったですね 土日に学校行くのは、主にクラブに参加している人だけだったかと 一応今書いてるSSでは、土曜は休みという設定で書き進めますね しかし、その会話は面白いですね ぜひその会話を発展させて、SSを書いてみてください 347 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2008/06/28(土) 17 04 57 ID BIwjQ1M6 うちの学校は三年だけ土曜に任意参加の補講があったな。 自分で好きな科目選べるから、普段のクラス割は関係なかった。 もし陵桜もそういうシステムなら多分こんな感じになる↓ 「こなたはどうするの? 土曜の補講」 「うーん、私はパスしようかと……」 「ちょっと何腑抜けたこと言ってんのよ。せめて苦手の数学だけでも出たら?」 「数学ねぇ……まあセンターにある以上逃げられないのはわかってるんだけど……」 「でしょ? 私も出るからそうしなさいよ」 「? でもかがみは出るとしても演習クラスじゃないの? 私は当然基礎クラスだけどさ……」 「えっ、あーいや、私もその、基本をもう一度固めようと思って……だからあんたと同じクラスにしようかな、みたいな」 「ふーん。じゃあそうするよ。かがみと一緒なら何かと心強いしネ」 「い、言っとくけど私をアテにしたらダメよ? 勉強は自分でやらないと意味ないんだからね」 「へーい、わかってますともかがみ様」 「ったく……」 349 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2008/06/28(土) 18 11 44 ID G7AnD2G4 340 普通に土曜登校だと思う。そうでもないとコマ数足りんし。 学校終わってから泊まりで遊ぶことだってできるわけで。 350 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2008/06/28(土) 18 20 03 ID qmE759+J 土曜は常に授業ある高校だったんですが、他のところでも、3年とかになると結構あるんですね。 卒業まで土曜日はずっと休みなんだとばかり思ってましたよ。 351 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2008/06/28(土) 18 34 07 ID clbMs/9c 349 確かに。 公式で土曜が休みだと明言されていない限り、推測の域を出ませんね。 原作の学校も私立か公立か定かではなかったですよね? アニメでモデルになってる学校が私立なので、その線でいくと土曜も 授業ありという設定にしたほうがいいのかな。 514 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2008/07/01(火) 01 46 57 ID el5TfOF0 ひより「『萌えねぇこなかがは只のレズだ!』よし、夏はこれで行くっす!」 ポルコ・ロッソ「お嬢ちゃん、少し頭冷やそうか?」 ひより「ひぃっ!?」 勢いでやった 反省? 先週の生ごみと一緒に捨てたさ 515 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2008/07/01(火) 01 58 34 ID dA8Jdm5i 只のレズ、で刺激を受けてちょっとした視点の変換を。 本来のこなたやかがみの性格からして、付き合い出すまでも付き合ってからももどかしいのがデフォ。 だけど、敢えて「いつも通りに過ごしてたのに、何か波長が合ってキスしちゃってそのままズルズルと」みたいなのもあるのかな、とか。 二人には元々強い絆があるのだから、始まりがこうでもドライな関係ではないと思う。 萌え成分は薄いけど、この展開だとまた違った味があるのかな? 517 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2008/07/01(火) 02 07 01 ID mbYvKY0X 515 それ系のSSもたまにあるんだよな 数は少ないが粒揃いで面白いのばかりだった印象がある。 518 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2008/07/01(火) 10 35 49 ID eAx/g0Sm なりゆきカップルこなかが 大学から帰って来て自室で公務員試験の勉強をするかがみん。国一を目指しています。 ↓ そこに合鍵で普通に入ってくるこなた。勉強してるかがみの隣で、漫画読んだりゲームしたり。 ↓ たまに、こなたが何か話題を振ったりする。勉強しながらも相づちを打ち、的確に突っ込むかがみん。 ↓ 勉強が一段落して伸びをするかがみん。当然のように、こなた作の夕ご飯が用意されている。 ↓ こなたに付き合ってゲームしたりして息抜きするかがみん。ゲームしながらも、こなたの足をチラチラ。 ↓ 就寝。と、その前に入浴。その後いろいろあって就寝。明日も頑張ろう。 628 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2008/07/04(金) 02 42 37 ID xvmZ7Wha 流れ豚切り小ネタ 「ん……」 寝苦しさを感じ、寝返りをうとうとするもそれは叶わなかった。 右腕に何か重りが置かれているような感覚。 昨日は勉強に少し熱が入ってしまったから、 軽い筋肉痛になっているのだろうか、と寝ぼけた頭で左腕に視線を向け―― 「――――――!」 声にならない声を上げながら、重りから腕をすっぽ抜いて一瞬で部屋の隅まで後退する。 「な、なななななんで、こなたが一緒に寝てるのよ!?」 しかも、私に腕枕をされているような状態で! つまり重りだと思っていた物はこなたの頭で、そのせいで寝返りがうてなくて!? 確かに筋肉痛にしては腕が重いとも感じたけれど、これを予知するのは不可能に近いだろうしっ! ぐるんぐるんと必死に頭を回転させていると、こなたがもそもそと起き上がった。 「どしたのかがみー?」 こなたは寝起きそのものの舌足らずな声を上げながら、何事もなかったかのようにこちらを見る。 そのとろんとした視線を向けられながら、現状を把握しようと未だ混乱している頭を抱えた。 ここまで書いた。続きは思い付かない 633 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2008/07/04(金) 14 38 06 ID 5Dz8lII5 今、誕生日投下用に色塗りしてるんだけど詰まった。 誰か俺の脳に刺激を・・・頼む 635 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2008/07/04(金) 17 17 31 ID 6u+kr42j 「ほ、ほんとにこんな格好するの!?」 「大丈夫だってかがみ、似合ってるって」 「だからってボディペイントなんか、誰かに見られたらどうするつもりよ!」 「気付かれないって。それよりも、まだ塗り終わってないんだから、隠してないで手をどけてよ~」 「い、いやよ!それにまだ話は終わってないわよ!」 「そんなワガママばっかり言ってないでさぁ~。そんなこと言ってると無理やり塗っちゃうよ?」 「ワガママ言ってるのはどっちだ!!って、ちょ、やめ、そこは……んっ、……ダメ……だって……」 「ムフフフフ、あんなこと言ってても体は正直だね~」 「んっ!へ、へんなこと……言う……なぁ……」 「あの台詞、一回でいいから言ってみたかったんだよね~」 「も、もうっ……だめっ、…………あははははは、こなっ、もうやめっ、あはははははは」 「むぅ。 …………かがみはさ~、もうちょっと場の流れというものをだね」 「だ、だって、わき腹なんてっ、筆でっ、なぞられたらっ、くすぐったいにっ、きまってるじゃっ、あははははははは」 「まあいいか、まだ塗るところはたくさんあるしね~♪」 「ちょっ、こなた!そっちはほんとにダメだって!!」 「問答無用!いざゆかん!ヴァルハラへ~♪」 「あはははははははははははっははは」 結局、笑いすぎて汗で絵の具が落ちちゃってまた塗りなおし。上に戻る。 633 ごめん、色塗りで思いついたけど、こんなんが限界だった。反省も後悔も大いにしてる。 597 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2008/07/03(木) 11 44 16 ID asTHNj4W 593 可愛いヨ可愛いヨ毎回言ってるけど、あんたの絵は本当に可愛いw やっぱかがみって母性愛があるなー。だから、こなたのことを怒ったりしてほってけないんだと思う。 612 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2008/07/03(木) 22 18 48 ID gLaxpbeZ 597 かがみがこなたから目を離せないのは、母性愛なのか特殊な性癖(笑)ゆえなのか。 何となく、保護者気質とちびっ子萌えの両方が混在しててその時々でコロコロ変わってる感じがするw 613 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2008/07/03(木) 22 39 13 ID lr32Pg+N かがみって変態ロリコンっぽい 614 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2008/07/03(木) 22 42 24 ID zHaDcj24 かがみが保護者っぽいのは認めるが、好きな人から「お母さんみたい」って言われるのは地雷じゃねw 615 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2008/07/03(木) 22 59 49 ID yX+1YpAm そういやキャラソンでも「保護者的に私は疲れる」とか言っておいて、曲の後半になると 「誰、誰、誰が~・・・ホントのこと言っていいよ」みたいな感じでこなたのことを意識しまくってたなw 保護者云々は、自分の本当の気持ちに気づく事に戸惑いを感じてるかがみの言い訳のように思う 616 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2008/07/03(木) 23 19 19 ID nznvz6xd あまりに自重しなさすぎて 「かがみん、変態っぽいよ!」 こなたに怒られるかがみ しかし、かがみんは 「アレ?こなたに怒られるの、あんまり嫌じゃない・・・?」 どんどん駄目になってきていた 617 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2008/07/03(木) 23 31 15 ID wwRZxCf1 このスレ的に趣旨がずれてるかもしれんが、ニコニコの変態かがみさんシリーズは面白い。 618 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2008/07/03(木) 23 59 19 ID sMwHaumD あー、確かに面白かった カラオケの回で深夜に爆笑したな。 619 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2008/07/04(金) 00 19 25 ID zNtIgdjI 普段秀才型優等生なぶん、ぶっこわれたときのギャップが たまらなく可笑しくて、そして萌えるんだよな。 だからかが×こなの場合、かがみが暴走気味になるのはある意味必然w 620 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2008/07/04(金) 00 38 59 ID hkEzwx+i 615 本編を見れば保護者的でないのは明らかだしな それに例え似ていたとしても、同い年な以上やっぱりそれは違うんだよ 621 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2008/07/04(金) 01 07 07 ID R4ZQIm9Z 更に言うと、毎年5月28~7月6日の間だけはこなたの方が年上なんだよね。 「お姉ちゃんって呼んでもいいよ? かがみ」 「あーはいはい。お姉ちゃんお姉ちゃん(ナデナデ」 「うぅ……は、はなせ~っ!」 622 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2008/07/04(金) 01 20 39 ID GEBbWY9+ 母性云々は別にして、本当はこなたの方が家庭的で世渡り上手だしね。 自分が親だったら、かがみの方が心配になると思う。 愚直過ぎて、どこかでポキっといっちゃいそうな危うさがあるというか。 623 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2008/07/04(金) 01 24 46 ID zNtIgdjI だから、普段はかがみが保護者でいて、 いざ、というときにこなたが保護者になるのですね、わかります。 ほんと、もちつもたれつな間柄だなあ。 624 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2008/07/04(金) 01 35 02 ID NF8M0gDw いい議論の応酬?に、思わずなるほど…とリアルで呟いてしまったw 特に622さんのレスなんかは、非常に頷けると言うか、 これをふまえて本編…修学旅行の回とか見直すと、こなかがの関係に 燃えつつ萌えつつ悶えつつ…を少し違った観点で味わえそうだなあ。 ということで、深夜ながらもちょっと見て来る! 625 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2008/07/04(金) 01 43 11 ID bCAqMmq3 622 こなたはあれで結構空気読める。相手に気取られないようにフォローすることもできる。 如才なく溶け込むというか、人の保護欲に訴えるのも得意そう。 サービス業を続けられて人気があるのもわかるよ。 かがみのほうは優しいけど率直で直情的なんだよな。 広く周りを見渡せてない感じだし、人間関係では抜けてるっぽい。 626 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2008/07/04(金) 01 48 30 ID JkNBnwa4 そうか……それでかがみは 「時々――本当にあんたを尊敬することがあるわ――」 (コンプエース今月号より) なわけか。 627 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2008/07/04(金) 01 59 19 ID KxTDLQ5Y テレがなくて素直なところにでしょう 638 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2008/07/05(土) 00 50 41 ID F7Js2SZx なんか上のほうでかがみロリコン説があったので超小ネタ 「ところでさ。 私ってちっちゃいじゃん? 背も胸も。 同学年の人から告白されたら、その人、ロリコンってことになるかな?」 「……違うわよ」 「ほほう。それはいかに」 「そんなこと言ったら、こなたを好きになった人はロリコンってことじゃない」 「いや、そうなのかってことを聞いてるんだけど」 「その考え方は許せないわね。 ロリコンだからこなたが好きになったんじゃなくて、本当に心から好きなのかもしれないのに」 「あはは、今日はやけに熱いねえ、かがみん。 どっちでもいいって答えるかと思ってたよ」 「もしも、もしもよ。 こなたを好きになった人がロリコンだって言われたら、私は全力で弁護するわね」 「ああ、えーと……ありがと」 「同学年だとか関係なく、誰かを好きになることは自由よ。 手を出したら犯罪かもしれないけどね、とにかく、 こなたを好きっていうだけでロリコン扱いだなんて、絶対ダメよ」 「あ、うん、分かったよ。 今聞きたいのは私がどうかってだけじゃなくて、私みたいな体型の人が、その」 「それと、念のため言っとくけどね、少なくとも私はロリコンじゃないわよ。 信じて。 安心して」 「いや、そんなの言われなくても…… ……え?」 639 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2008/07/05(土) 01 16 15 ID Oiayz84S 638 GJ! かがみ超必死w まあ、かがみが真性のロリコンだったらこなただけじゃなくゆたかも危ないしなw
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翌朝。空虚な気分に押しつぶされそうになりながらの目覚め。 涙で濡れてしまった私の顔にも、太陽の光は真っ直ぐに降り注ぐ。 右の頬に微かな痛み、消えない昨日の記憶、それが枷となっていた。 まだ、ベッドから動けない。私にとって、昨日はあまりに長すぎて―― 『彼方へと続く未来』 第一章 (後編) 「お~い、こなた~。起きてるかぁ?」 間延びした声を出しながら、お父さんが私の部屋をノックしたのは、 つかさと電話で会話してからきっかり半日後の、午前八時頃だった。 結局、つかさとはまともな情報交換が出来ないまま、通話は終了。 かがみについての話も、ほとんど私から聞くことはなかった。 「うん。起きてるよぉ。何か用?」 滲んだ目をこすりながら身を起こしてドアを開ける私。 どうやらお父さんには気づかれずに済んだようだ。 「さっき、ゆいちゃんから電話があってな。当日は、きよたか君が こなたをお袋の所まで送っていってくれるそうだ」 「きー兄さんが?」 「ああ。近々こっちに戻ってくるらしくてな。ここから石川までは遠いっていうのは 説明したんだが、ほかならぬ叔父さんの頼みなら……ってことでな。それと――」 作務衣の袖をゆらゆらさせながら、明るく振る舞うお父さん。 だけど、私が最初に石川の方の大学を受けたいと言った時、 お父さんの顔が一気に曇っていったのを、よく覚えている。 私は、必死に説得した。かがみ達やお父さんに頼らないで 自分の力だけで生きていこうと決意したこと。 そして、お父さんとお母さんが生まれ育った場所で、 生活してみたいと思ってこの決断をしたということを。 その後も、私はお父さんにずっと説明し続けた。多分、人生の中で 一番お父さんと長く向き合った時間だったと思う。そして数十分後。 黙って私の話を聞き続けていたお父さんが、口を開くと 「わかった。それがこなたのやりたいことだというのなら、 お父さんはもう止めない。それが、父親としてこなたに してあげられる、精一杯のことだ」 といって、いつもの明るい顔に戻っていた。 だけど、向こうに行くのを認めるかわりに、お父さんは条件を出してきた。 条件は三つ。 向こうの方では一人暮らしではなく、お父さんの実家に住むということ。 長い休みの時にはなるべくこっちに帰ってくること。 そして……。かがみ達のことを、絶対に忘れないようにすること。 「……た。……こなた。お~い、こなた~」 「ふわっ!? お、お父さん!?」 「どうしたんだ? 急にぼんやりとして。こなたらしくないぞ」 突然響いたお父さんの声によって、私の思考は中断セーブされてしまった。 今すぐ再開しようにも、一度切り替わってしまった思考は簡単には変わらない。 それがさらに、私の胸の中を締め付けていた。 「……ところでさ、お父さん。さっき何か言いかけてたけど、まだ何か用?」 「おっと、スマンスマン。忘れる所だった。実は、こなたに頼みたい事があってな」 「何? 新作のギャルゲーでも借りたいの?」 「いやぁ、実はその逆なんだよ、こなた~」 と言って、苦笑いを浮かべて無精ひげの生えた顎をさするお父さん。 何か、猛烈に嫌な予感がした。 「うわっ。また違うゲームのディスクが入ってるじゃん! まったくもぅ」 気にしていなくても感じる埃っぽさが、私の鼻と目を容赦なく襲う。 ここは、お父さんの仕事部屋……じゃなくて、 三階にあるお父さんのコレクションルーム。 その中で、私は一人で必死に捜し物をしていた。 こんな面倒くさいことをしている理由は一つ。 お父さんに貸したままの漫画やゲームを回収する為だ。 さっきお父さんが私の部屋に来たもう一つの目的が、捜索の 手伝いの依頼だったことを知った時には正直あきれた。 娘から借りたもの位、ちゃんと整理しておけばいいのに。 とは言ったものの、私の部屋もあまり状況は変わらないのでこれ以上 文句は言わないことにした。だけど、広く確保されていたハズの空間の中は、 漫画やらフィギュアやら積みゲーの箱やらで埋め尽くされ、唯一机の上に 置いてある、予備用のノートパソコンだけが、被害を免れていた。 ぬぬぬ、敵は手強いね。だけど意地でも持って帰らなくちゃ。 もうすぐお父さんもここに来るけど、それまでに決着つけなきゃね。 半ば要塞と化している壁ぎわの積みゲーの山に突撃する私。 そして、その壁際の捜索が軌道に乗ってきた時、急に視界が開けた。 ――なんだろう、ここ……。 見通しの良くなった部屋の向こう、そこに小さな空間があった。 本来はここも部屋の一部だったハズだが、まるで別の世界の様だった。 そこには、色々なものが置かれていた。一昔前に流行ったような古いカメラ。 家庭菜園入門と書かれた本。中でも、特に私の気をひいたもの。 それは綺麗な白い布が被せられた、木製の大きな三脚の様なものだった。 「……? どうしてこんなものがウチに?」 ていうか、これってなんて呼ぶもんだっけ。 誰にでも聞こえるような声でブツブツと独り言を続ける私。 すると、突然私の耳に今の疑問の答えが後ろから響いてきた。 「それはイーゼル。かなたがいつも絵を描くときに、使っていたものだ」 思わずハッとして振り返ると、そこにはお父さんがいた。 憂いを帯びた顔。よれよれの服装。そして、寂しげな瞳。 「悪いなぁ、こなた。別にお父さんもそこを隠すつもりで箱を積んでた訳じゃ ないんだが、いつのまにかそうなってしまってなぁ」 バツの悪そうな声だ。明らかに普段よりも動きが怪しい。 「それは別にいいんだけど……。今の話って本当なの?」 「ん? お父さん、何か言ったっけ?」 「とぼけないでよぉ。これが、お母さんの使ってたものだったのかってこと」 「ああ、それは本当だぞ、こなた。かなたはな……」 ――お父さんから聞いた話を簡単にまとめてみると、 お母さんはどうやら高校生の頃から絵を描き始めたらしい。 だけど、詳しいきっかけとかについては、高校だけ別々だった お父さんに、細かいことは話していなかったそうだ。 「かなたは、高校の頃の話をあまりしてくれなくてな。 そのうえ、あの頃は上京の話で手一杯だったからなぁ」 腕を組んで懐かしそうにお母さんの話をするお父さん。 そういえば、お父さんは高校卒業後に、お母さんを連れて こっちの方に出てきたんだっけ。きっとお父さん、この頃には もうお母さんの攻略フラグ殆ど立て終わってたんだろうねぇ。 「でもさ、お母さんはこれを持ち歩いて色々絵を描いてたんだろうけど、 ウチにはお母さんが描いた絵って殆ど残ってないよね」 「そう言えばそうだな。ここや実家に飾ってある分を含めても、二、三枚位だしな。 もしかしたら、大切な誰かにあげたのかもしれないな」 「大切な、誰か……」 ふいに、かがみの顔が脳裏に浮かんだ後、 シャボン玉の様に割れて消えていった。 私にとって、かがみは大切な人なのかどうか。 答えは確認するまでもない。 だけど、かがみは私のこと、どう思ってるのかな。 仮に、このままケンカ別れなんてことになったら、 もう二度とそれを確認出来ないような気がするよ。 仲直りするきっかけ自体は、探せばいくらでもある。 問題は、切り出すタイミング。 今強引に私の方から話しかけても、多分逆効果。 状況は好転しないどころか、一層悪くなる。 だけど、私が向こうに行くまでの期間内……。 遅くても卒業式までにはなんとかしたい。 でも、かがみに謝って仲直りする。 本当にそれだけでいいのかな? 私には、かがみにしてあげなきゃいけない ことが、あるんじゃないのかな? ……私の脳内会議の進行度が最高潮に達し、お父さんの存在ですら 記憶の果てに放り込もうとした時、足下に何かざらついたものが触れた。 それは、一枚の画用紙だった。 おそらく、お父さんがメモ用にと買ったものだろう。 瞬間、私の脳内に何かがインストールされた。 大切な誰か。絵、画用紙。そして、私の部屋にあるもの。 ――答えが、一本に繋がった。 「お父さん、ごめんっ。ちょっと部屋に戻るねー」 「あっ、おい。こな――」 ギリギリでかすれたお父さんの声を耳に入れながら、 私は自分の部屋に戻った。一直線に机に向かい、 周囲をガサゴソと漁る。目的はすぐに達成された。 出てきたのは、小さな頃に私が使っていたクレヨン。 ついこの間久しぶりに発見したもので、銀色と金色が 追加されているのが、当時の私の自慢だった。 『どれどれ画伯。どんな絵描いたか見せてみー?』 『やだよ。まぁ、気が向いたらどっかで見せるよ』 この間のかがみとの会話が、鮮明に蘇る。 屈託のない笑顔を浮かべた、いつものかがみ。 私は、取り戻したい。もう一度向き合いたい。 このクレヨンを使って、もう一度……。 「だから、それまで待っててね、かが――」 私の声が出たのと、ベッドの上の携帯電話が 鳴り始めたのは、ほぼ同じタイミングだった。 昨日と同じパターンで手に取ってみる。 またつかさからかな……? 『柊 かがみ』 画面には、そう表示されていた。 想定外の出来事に、おもわずベッドにへたり込む。 緊張して、のどが渇く。顔もなんだかぼうっとする。 だけど、この電話に出ればかがみの声が聞ける。 通話ボタンを押す理由は、それだけで充分だった。 「もっ、もしもし、かがみ?」 「あっ……、こなた? 実は、昨日のことなんだけど――」 凍っていた時間が、ゆっくりと溶け始めていた。 彼方へと続く未来 第二章 (前編)へ続く コメントフォーム 名前 コメント (/ _ ; )b -- 名無しさん (2023-01-04 11 40 20)
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☆鏡ちゃんのリボン 「キラキラキスタ キラキラキスタ もっと素直な私にな~れ」ですね、わかります 47 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/10/24(水) 00 10 10 ID yH48NY5b 前スレの776でSSと挿絵を投下したものです。 今回も落書き程度ですがイラスト投下します。 シチュはお泊り会でかがみがこなたの髪を結ってるとこですかね。 ///あんたよくそういうことサラッと言えるわね か「気に入ったんならそのリボンあげるわよ」 こ「いいの?」 か「そのかわり大事にしてよね」 こ「わ~い、かがみんだと思っていっつもつけるよ」 か「///あんたよくそういうことサラッと言えるわね」 こ「なにが?」←天然 とかやってんじゃないでしょうか。 53 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/10/24(水) 01 11 43 ID 71coNIy9 47 何かの事情でお互い離れ離れになるとしたら かがみは自分のリボンを取ってこなたに渡しそう こなたも何か身に付けていれば交換しそうなんだが・・・ あれ?このネタどこかで(ry 62 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/10/24(水) 12 18 13 ID zVjtL8TG 47 GJ!絵柄がかわいいなあ。 そういえば、どこぞで見た「数年後のこなた」が、かがみにもらったリボンで髪を まとめてたのを思い出した。 身長が伸びてナイスバディになってるのはどうかと思ったがw ☆ 51 名前:4-248[sage] 投稿日:2007/10/24(水) 00 49 45 ID M816PU7+ ※こなかがではありませんので注意! 前髪を切りすぎて気にしているこなた、とかよくわからん設定の落書きです こんなときかがみならどう言葉をかける?? 皆さんのこなかが妄想、お待ちしております^^ P.S.単体絵はやはり控えたほうがいいでしょうか?? ttp //vista.undo.jp/img/vi9315444255.png 58 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/10/24(水) 08 46 40 ID E9vAVIon 47 ぷにぷに萌え~(笑) 51 単体絵でもいいよ。スレが活性化するならオールOK ! かがみがどう言葉をかけるか・・・。俺なら「構わないわよ。髪の長さであんたが変わるわけじゃないんだし。 気にしなくても、その内伸びるわよ。」と言いながら、こなたの前頭部辺りを撫でてあげると妄想w 59 名前:465[sage] 投稿日:2007/10/24(水) 09 21 34 ID Kb1ziOeN 51 (う……昨日前髪切りすぎた……。鏡で見たらおデコが出過ぎてて、ちょっと 恥ずかしかったんだよね……。今日は学校休んだ方が良かったかな……) 「おーっす、こなた」 「あ、かがみ……おはよ」 (かがみはこの髪型どう思ってるのかな……) 「ねえ、かがみ? あのさ……」 「ほら、こなた。学校行きましょ? 遅刻するわよ?」 「う、うん」 (なんで何も言ってくれないんだろう。もっとかがみに色々言ってもらいたいのに……って、 なんでこんなにイライラしてるんだろ、私) 「でさ、あれって凄くクサいのよ~」 「ふ~ん……」 (それにしても今日は歩き辛いな……。いつも隣りを歩いてるかがみが前に立って 歩いてるせいか。何でそんな位置に……。) (…………あ。私の、前髪を隠してくれてるんだ。みんなの壁になって……) 「かがみ」 「どうしたの? こなた」 私はかがみを後ろから抱き締める。 ドキドキした心臓ごと、小さな胸を押し付ける。 振り返らないでね、かがみ。 多分いまの私、すっごい顔赤いから。 「……好きだよ、かがみ」 そっと私の手に重ねられるかがみの手。 それが何にも変えられない、私達の愛のしるし。 60 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[] 投稿日:2007/10/24(水) 09 52 53 ID Kb1ziOeN 59の別バージョン<ギャグ仕様> (う……前髪切りすぎた……。 鏡で見たらおデコが出過ぎてて、ちょっと恥ずかしかったんだよね……。 今日は学校休んだ方が良かったかな……) ……ドドドドドドドド 「何の音だろ?」 ドドドドドドドド! 「こ、な、たぁ~っ♪」 「サブマリン!?」 超低空で飛んでくるかがみをもろに受け止めて、地面を抱き合って転がる私達。 せめて直前で減速してほしかったよ……。 「なんで? 私は急には止まれないわよ? ……特にこなた相手には」 「普通に心を読まないでよ!?」 「それにしても、いつ見てもこなたは可愛いなぁ~。あ、今日のこなたは髪型が違うのね? ますます可愛いわよ」 「そ、そうかな?」 自分ではそうは思わなかったんだけど……。 「大丈夫、似合うわよ! 私のお墨付き!」 「だから人の心を読むなとあれほど(ry」 「それにね……」 チュッ 「!?!?!?」 「おデコにキスしやすいし」 「ちょ、かがみ! 冗談は止めて……」 「冗談じゃないわよ? ほら……チュッ、チュッ、チュッ、ん~、 チュッチュッチュッチュッチュッ」 「ふわわわわわ! だ、だめ、だめだよぅ、やめて……。らめへえええええぇぇぇぇぇっ!」 ガバアッ 「はあっはあっはあっはあっ……。ゆ、夢か……」 そうだよね、幾ら何でもかがみがあんな事するわけが……。 「……ってなんで私かがみの部屋のベッドで寝てるの? なんで私昨日のパジャマと違うの? あれ~~~?」 ☆ 65 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/10/24(水) 18 48 41 ID u3D2O5F4 かがみって、基本的にはオタクはあんまり好きじゃなさそうだよな(ラノベはさておき) 監禁やらのニュースネタで渋い反応してるのなんか見てると、 こなたと出会ってなかったらエロゲやってる奴なんて犯罪予備軍くらいに思っててもおかしくなさそうだし。 こなただからおkって感じだ。つか、かがみはそういうの多い。 こなた優遇されまくりだっぜ。 ☆ 79 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/10/24(水) 21 48 41 ID biGoKbJ+ ところで、 15(かがみのこなたに対する気持ち考察)を見て思ったんだけど、 かつては友達かガチ百合かで議論していたのに、いつの間にか後者が基本になってたんだな。 81 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/10/24(水) 21 53 48 ID 7iGit5eQ 79 需要というか、アニメが進むにつれて自信が確信に変わった人が多いからな 83 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/10/24(水) 21 57 28 ID ovFGr5gr 目覚めは15話のライブシーン キャラソンが個人的には決定的だったな 84 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/10/24(水) 22 03 41 ID VK3MnHGR 京都学習も忘れちゃいけねぇ 85 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/10/24(水) 22 05 33 ID VK3MnHGR おっと、体重増えた時に「こなたぁ!」と叫びながらこなたに対して泣いたシーンも少なからずその気があるな。 86 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/10/24(水) 22 07 55 ID 7v/YbDOg 83 畑亜貴さんが今までで一番いい仕事したと思った 本当にやべぇ 87 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/10/24(水) 22 21 31 ID LaLAYbSs いざって時は、こなた流格闘術でかがみん守るのかな? そういや、こなたが蹴り出すの何話だっけ 88 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/10/24(水) 22 22 08 ID E9vAVIon 81 俺もそのクチだな。 アニメ放送当初はただの友達にしか思えなかったのに、「ん? かがみってこなたのことを恋という意味で好き なんじゃね?」と、途中から思い始めた。 一話のお見舞い、バレンタインで照れまくり(本命っぽいチョコ)、こなたに男の影がすると焦りまくり、同じクラス になれなかったときの普通じゃない落ち込み方。でも決定打は、やはりライブでのあのシーンだな。 そして83と同じく、キャラソンで疑う余地がなくなった。あれは擬似姉妹の妹分への感情じゃない。無意識の 下、許されざる恋に目覚めそうになって、戸惑う乙女心だ。 俺はこれからも二人を全力で応援するつもりだ。 89 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/10/24(水) 22 22 39 ID SJvch12G 原作だとかがみが見えてるぞって言ってるんだよな 99 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/10/24(水) 22 41 15 ID TYvCI6Ov 89 ちょwww改ざんしてるwww 本当は「見えるぞ」だよ。 見えていてほしい気持ちは分かるがなww 97 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/10/24(水) 22 40 16 ID YzyaR6S+ 85 それとか他にも、お互いにしか見せない顔が多すぎるんだよな 相手の目が他の人に向くのを嫌がるっていうのは殆ど恋と言えると思う ☆ 90 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/10/24(水) 22 28 17 ID u3D2O5F4 角煮から かがみん見すぎだろ…… ttp //dat.2chan.net/l/src/11932185860180c73.jpg 91 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/10/24(水) 22 30 23 ID LaLAYbSs かがみの愛がなければ、こんなに高く飛べなかった 92 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/10/24(水) 22 33 05 ID n5g+xJUL ぱんつ覗いてるようにしか見えません 93 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/10/24(水) 22 34 32 ID a6PBnQIx だってぱんつ覗いてるもん 94 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/10/24(水) 22 35 41 ID KxcxBY8U ガン見じゃねーか 95 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/10/24(水) 22 37 16 ID LaLAYbSs ちょっと待ってくれ、かがみんがこなたのパンツを覗く理由が無いぜ。 96 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[] 投稿日:2007/10/24(水) 22 39 57 ID 92ymLXTS その日こなたはパンツ履いてない 98 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/10/24(水) 22 41 06 ID n5g+xJUL ぱんつじゃなくてこなたを見てるとしたらもう少し目線が上に行くはずだと思うんだ って、はいてないのか 100 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/10/24(水) 22 47 53 ID LaLAYbSs どの道、足揃えて畳んでるから見えないんじゃね? むしろ、見えてないかを心配してる顔。じゃないな 102 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/10/24(水) 23 09 18 ID n5g+xJUL 100 いや見える!角度的にいける! 103 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/10/24(水) 23 12 11 ID Z5RR0Guo どこの植草だよ 104 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/10/24(水) 23 17 02 ID u3D2O5F4 かがみ だけにな 105 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/10/24(水) 23 27 13 ID m4aOz/G8 104 誰うま 109 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/10/24(水) 23 51 06 ID 63ChLD0n 90 前あった雑誌絵でもそうだったけど 位置的にこなた&かがみ、つかさ&みゆき、ゆたか&みなみ、パティ&ひより、みさお&あやのペアなんだな、やっぱりw 152 名前:135[sage] 投稿日:2007/10/25(木) 20 31 26 ID wt4jZktt 144(90の再度上げ) 今度こそ見れた。ありがとう。 確かにかがみは覗いてる… かがみに覗かれるならこなたも本望だろう でもここまで自然に覗いてるとなると逆に不自然な気もする うーんそれでもやっぱ女の子同士だと気にしないもんなのかな ☆ 123 名前:4-248[sage] 投稿日:2007/10/25(木) 02 08 07 ID gXrZ07fC 110(4-50氏)の絵を見て急遽何か描きたくなって描いた落書き ………いい感じに脳内が夢の世界に旅立っているようですorz というわけでおやすみなさい P.S.遅くなったけどみゆきさん誕生日おめでとう ttp //vista.undo.jp/img/vi9324559833.png ☆ 141 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/10/25(木) 12 48 03 ID m1sU+8DO こなた「でもどちらかと言うとかがみの方がいじめキャラだよね」 かがみ「はぁ?何でだよ!」 かがみ「…私はむしろ、いじめの現場に立ったら助けに行くわよ。アンタもいじめにあったら相談しなさいよ!」 こなた「え?」 142 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/10/25(木) 12 51 26 ID m1sU+8DO こなた「でもかがみがいじめを止めようとしても返り討ちに遭いそうだよね」 かがみ「それでも、何もしないでいるなんて出来る訳ないでしょ!」 こなた「大丈夫、かがみが襲われそうになったら私が助けてあげるから」 かがみ「あー、そういやアンタ格闘技経験者だったわね。いじめの心配して損したわ…」 かがみ。oO(何よ…嬉しいじゃないの…///) ☆ 148 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/10/25(木) 17 18 14 ID m1sU+8DO かなたと小神 かとこを入れ替えると こなたとかがみ ☆ 150 名前:4-248[sage] 投稿日:2007/10/25(木) 18 20 30 ID gXrZ07fC 125(5-123氏) GJ!!自分の落書きからここまで話を広げてもらえて感謝感激です! 海老で鯛をt…いやミジンコで鯛を釣った、といっても過言ではないはず かがみを考えていて髪を切るのに失敗するとか可愛すぎです^^ そしてつかさが…いい味出してますww 「泉さん、先ほどの件ですが…… 冗談といっても限度というものがありますよ?」 「うん、そだね…」 「かがみさんももうそろそろ泉さんを許してくださいませんか? 泉さんにとってはほんの冗談のつもりだったんですから。」 「え、ええ…そうね、みゆき」 「じゃあ、お二人ともこのへんで言うべきことがありますよね?」 「かがみ……私さっき調子にのりすぎて酷いこと言っちゃったね」 「う、ううん、こなた。私こそ大人げない反応しちゃって……」 「「ごめんなさいっ」」 「ふふ、じゃあお二人が仲直りできたところでお昼を頂きましょうか。 つかささんもお待ちでしょうし」 …という設定のもと描いたみゆきさん生誕記念絵を投下(設定長! うあ、自分まじ文章下手orz 自分の中でみゆきさんはこなかがのよき理解者 というかお母さんみたいな存在っていう方がしっくりくるかも そして、つかさ、描けなくてごめんorz いや、初めは画面の後ろの方で弁当持ってマダー? と言っているつかさがいたんですが あまりにもKYな仕上がりになったため消去せざるを得なくて…w 許しておくれつかさorz ttp //vista.undo.jp/img/vi9330367796.png ☆ 163 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/10/25(木) 22 05 03 ID Ot25KUDp こなかがは百合っぽいけど、テンプレ通りの百合かといわれるとちょっと違うよな ……何が違うんだろう 166 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/10/25(木) 22 26 08 ID SWKby0a3 163 ツンデレとしてはテンプレ通りなんだけど 百合カプでやってるのは意外と少ないんだよな 168 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/10/25(木) 23 02 47 ID Ot25KUDp 166 ツンデレ百合ってあるにはあるんだけど少ないのな てか、こなたにしかツンデレしてない気がするんですが実は計算ですか?かがみさん ☆ 171 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/10/25(木) 23 38 20 ID QJhrC+l9 こなかがの良さの一つに、もどかしさにある 172 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/10/25(木) 23 44 15 ID ei3NTOGd こなたがかがみの髪をもてあそぶシーンが一番だと思わんかね、諸君 173 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/10/26(金) 00 03 40 ID RtHxomMO 俺は 『好きだよ』と言いながらこなたを抱きしめるかがみと 『うん、私も』と答えて顔を赤くするこなた というあのシーンが最高だと思うんだが。 ……え?そんなシーンアニメにないって? はっはっはっそんなバナナww 174 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/10/26(金) 00 06 27 ID UVMlpfcC 173 ああ、あのシーンか。あれはたまんねぇよな。 175 名前:4-248[sage] 投稿日:2007/10/26(金) 00 08 32 ID DHLUSkIf 173 自分も見ましたよー もう感動して涙が止まりませんでした 176 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/10/26(金) 00 41 39 ID cpFJd7Zg こなかがの最大の魅力は17cmという身長差 182 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/10/26(金) 01 01 31 ID oHtRZlN9 全24話で二人で交わした会話の量がそのままこなかがの魅力だと思う あれだけおしゃべりだけに時間をとれるアニメってないぞ それとあと一押しで恋愛になっちゃいそうな緊張感かな ☆ 184 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/10/26(金) 01 32 22 ID 1O9436VT とらでおきらくボックスが1000円に値下げされていたので買おうかどうか迷った。 在庫かなり残ってるんだろうなあ 186 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/10/26(金) 01 47 32 ID HWBV414P 184 まぁ値段と中身が正直釣り合ってないからね・・・ 冊子はこなかが的にもニヤニヤできる内容だったけど フィギュアがアレではちょっと擁護できない 両方定価で買った人ご愁傷様、俺とかorz 188 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/10/26(金) 02 04 31 ID d/EuEVIS 186 やあブラザーorz 190 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/10/26(金) 02 26 52 ID b3HB98p8 186 あれ?この時間俺はエロパロに投下しようとしてるSS書いてたはずなのに… いつの間に書き込んだんだ?orz 191 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/10/26(金) 02 56 32 ID bPag7WmM 186 あれ中身はDVD1巻だと思ってた 192 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/10/26(金) 03 27 51 ID yqXS+9CT 186 逆に考えるんだ。 こなたとかがみのためだから定価でも迷わず買えたんだと。 いやま、安いにこしたことはないけどさorz 193 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/10/26(金) 03 46 20 ID UVlKBIKz 創刊 ttp //vista.jeez.jp/img/vi9333785263.jpg 196 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/10/26(金) 09 41 16 ID dNqskN55 くそっすぐ売り切れると思ってこなた買いした俺涙目wwwwww 5000円返せ 199 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/10/26(金) 10 45 43 ID Hbd+06Tc おきらくボックスに限らずアニメが終了して旬の過ぎたグッズというのは値下がりするのが普通じゃん グッズは宝くじと同様、ほんのわずかな間の夢(=妄想)や高揚感を楽しむものなんだぜ …と両方即日買いした自分に必死で言い聞かせてる俺涙目www 200 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/10/26(金) 11 37 00 ID 80D8gb+i 俺も即日買ったが、後悔はしていない。 むしろ安くなった後に買ったなら愛が足りないようでなんか悔しい。 201 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/10/26(金) 12 35 30 ID pH0MC7rB こなだけ買ってたけど、かがみんも揃えられて嬉しいぞ俺は 202 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/10/26(金) 14 18 47 ID 5e1Fpb8j おきらくBOXに入っていたフィギュアだが、キャラソンのCDと同じように こな、かがを入れ替えてみた。 二人とも幸せそうだよ。 212 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/10/26(金) 18 09 33 ID 80D8gb+i このスレで言う事じゃないけど、 つかさボックス、みゆきボックスの発売は絶望的か… 214 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/10/26(金) 18 30 53 ID 9Ygw0HtO 212 つまり、単体は無理だからセットで売れということか。 こなかがBOX かがこなBOX つかみゆBOX みゆこなBOX 内容:原作者書き下ろし4コマ+ドラマCD(日常編+ラジオパーソナリティ編の2本収録)+アンソロジー三編 え?なんでペアで出すのかって? それに同じキャラなのにこなかがとかがこなでBOXをわける必要性があるのかって? それがわかる人とわからない人の差なのだよ… 偉い人にはわからないけど、エロイ人にはすぐわかる限定生産!! 価格は3000円ぽっきり!! さあどうですか角川&ランティスさん! 215 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/10/26(金) 18 36 06 ID pH0MC7rB こなかがBOX評判良いみたい(涙目 216 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/10/26(金) 18 38 14 ID sOwHAXn5 ちょっと待て 「こなかがBOX」と「かがこなBOX」は中身が違うのか? まあ、それはさておき とりあえず、つかさとみゆきは飛ばして、ゆかりさんBOXを出して欲しい 217 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/10/26(金) 18 47 03 ID RtHxomMO 216 押し倒してる側g(ry ーーーー
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眩しい光に照らされて、目を覚ます。 もう、朝か……。 開けっ放しの窓から、小鳥の囀りが聞こえてくる。 ……お約束だなあ。 夜は長いと思ってたけど、やっぱり短くて。やっぱり朝が来て。 少しだけ、夜を反芻する。 まだ数時間しか経ってないのに、ずいぶん前のようで、それでいて、ついさっきのことのような、不思議な感じだ。 あれから、二人で私のベッドに入って……。 色々、した。いや、されたのかな。 何だか記憶が曖昧だ。 全体の雰囲気は覚えてるけど、細かく何をされたかまでは覚えてない。 隣を見ると、かがみがすぐ近くですやすやと眠っている。 寝顔も可愛いなあ……。 かがみを起こさないようにして、そっと起き上がる。 そういえば、つかさとみゆきさんはどうしてるかな。 昨日は結構悪いことをしてしまったと思う。二人ともほとんど空気だったし。 いや、それ以前に。 あの時は全然気にしてなかったけど、二人に対してどういう顔をすればいいんだろう。 何というか、尋常じゃなく恥ずかしい。 まだ、好きな人がいるよー、なんていうのならいいけど。 二人の目の前で告白して、抱きついて、二人を外に追い出すくらいになったんだから、会わせる顔がない。 コンコン 「こなちゃん、お姉ちゃん、起きてる?」 ノックする音。 つかさの声。 あ~、どうしよう。何て言えばいいのかな。 「お、起きてるよ……」 勝手に語尾が小さくなる。 恥ずかしいなぁ……。 ドアを開けてつかさとみゆきさんが入ってきた。 「あ、あの、その、昨日は、ごめんね……」 「ううん。気にしてないよ」 「で、でも……」 「泉さん、私たちはこれでもう帰りますね」 「……えっ、何で?」 みゆきさんが顔に笑みを浮かべた。 「ええ。このままここにいても、お二人にとってはお邪魔でしょうから」 「そ、そんなことないって……」 「いえ。お気になさらなくて構いませんよ。これは、私たちが勝手に決めたことですから」 「私達、二人には幸せになって欲しいから……」 「ですから、この日を有意義に過ごしてください。それに……」 みゆきさんは少し口を噤ませて、 それからすぐ、笑みの表情を戻した。 「いえ、なんでもありません。じゃあ、つかささん。行きましょうか」 「うん。こなちゃん、頑張ってね」 二人はそう言って部屋から去っていった。そして家からも。 それで、この家には私とかがみの二人っきり……。 同棲……って言うのかな、これ。 つかさとみゆきさんは、こうなるように自分たちから出て行ったのかな。 ありがとう、二人とも……。 今日一日、かがみと一緒に暮らせるんだ。 ●●● 話し声と足音と、何かの物音で目が覚めた。 見慣れない天井。 ここはどこだろう。 考えて、すぐに全てが蘇ってきた。 こなたの家の、こなたの部屋の、こなたのベッド。 ここでこなたと、一緒に寝たんだ。 いや、その、額面通りの意味じゃなくて……その、そういう意味で……。 ……結果的には良かったのかな。 それとも悪かったのかな。 今の私には分からない。 これから分かるようになるのかな。 いや、これから答えを見つけないといけないんだ。 でも、もし悪かったのなら……。 隣を見ると、こなたはいなかった。 でも、やっぱりこのベッドにいると、こなたに包まれているような気分だ。 まさか、ここで、こなたと一緒に、寝れるなんて思わなかった。 上半身を起こす。 部屋の中は、今度は太陽の光で暑くなっていた。 「あ、かがみ、起きてたの?」 振り向くと、ドアを開けてこなたが入ってきたところだった。 「あ」 と口を開いて、言葉に詰まった。 何て言えばいいんだろう。 今更ながら、気恥ずかしさが生まれてきた。 あの時はもう何が何だか分からなかったけど、今、落ち着いた状態になって、昨夜のことを思い出すと……。 「どうしたの、かがみ。顔真っ赤だよ~」 「あ、う……」 「もしかして、昨日のこと考えてたの? あの時のかがみは凄かったね~。凄い積極的でさ」 「や、やめてよその話は……」 「ごめんごめん。ほら、そんな緊張してないで、リラックスしよ」 「う、うん……」 こなたは、昨日のことを気にしてないのかな。 「あ、それから、つかさとみゆきさん、帰ったよ」 「え? どういうことよ」 「え、と。その、二人で仲良く暮らして、ってさ」 それって、つまり……。 こなたと二人、この家で過ごすってこと……。 「かがみ~!」 急にこなたが私に抱きついてきた。 されるがままになる。 「今日一日、一緒に暮らせるね~」 「そ、そうね……」 よっぽど嬉しいのかな? もちろん、私だって嬉しい。 こなたみたいに感情をそのまま動作には表せないけど……。 「あ、何か朝ごはん作ってくるね。かがみはここで待っててよ」 そういってこなたは部屋に外へと出て行った。 また、待つのか……。 でも今度は、手持ち無沙汰でもないし、居場所を見失うこともない。 ここが、私の居場所なんだから。 ベッドから降りてテーブルの前に座る。 新婚の夫婦って言うのは、こういう感じかな。 こうやって待っている時間も、なんだか楽しい。 叶わないって思ってた夢が、現実になってるんだ。 これから、どんなことが起こるんだろう。 こなたと一つ屋根の下で過ごす、この一日。 今日の夜には帰る予定だけど、それでもまだ十数時間もある。 いっぱい、いろんなことが出来るな……。 けど、これでよかったのかな。 考えようとして、でも、すぐにやめた。 今は、せめて今だけは、そんな現実を捨てて、この幻想のような限られた時間を、何の不安もなく心から……。 今日のことを考える。まだまだ時間はたっぷりあるから、何でも出来る。 二人で買い物に行ってもいいし、二人で何処かに遊びに行ってもいいし、 二人でここにいて、新婚生活っていうのを満喫するのもいい。 とにかく今日は、ずっと二人で……。 窓の外を見ると、青空と、右から迫ってくる雲。 夜には降り出すかもしれないな。 「かがみー。ご飯できたよー。おいでー」 何分経っただろう。数分かもしれないし、一時間くらいかもしれない。 ぼんやりと、何かを考えていた気がするけど、すぐに忘れてしまった。 ドア越しに、こなたの声が聞こえた。 「今行くー」 とだけ返して、部屋の外に出る。 食欲をそそる美味しそうな匂いが漂ってくる。 こなたは何を使ったんだろう。気になるけど、なんでもいいとも思う。 食卓の上には、ご飯と、お味噌汁と、焼いた鮭とお漬物。 それが、二人分のお皿に盛り付けられていた。 「いや~、簡単なのにしようかとも思ったんだけど……。遅くなってごめんね」 すでに食卓の前に座っていたこなたが、少しばつの悪そうな表情で言った。 「大丈夫よ。別に気にしてないから」 何時間でも待てたと思うのは、決して誇張ではないはずだ。 こなたと向かい合うようにして、食卓の前に座る。 「うん、ありがと。じゃあ、食べよー。いただきまーす」 「いただきます」 ……あれ? こなたは箸を持たずに、食卓の端を掴んで、こっちをじーっと見てくる。 真剣な眼差しで。期待と不安の入り混じった表情で。 私が食べるのを待ってるのかな。 それなら、最初はこれだな。 お味噌汁の器を持って、口へと運んだ。 「どう? おいしい?」 間髪いれずにこなたが尋ねてくる。 口の中いっぱいに広がった初めての味を飲み干して、 「おいしいわよ。とっても」 「ほんと? よかった~」 こなたはほっとしたようにため息を吐いて、すぐに顔を綻ばせた。 それにつられるように私の顔も笑みになる。 それから二人で少し遅めの朝食をとった。 こなたが作った料理は本当に上手で、今まで食べたどんな朝ごはんよりも美味しかった。 多分この味は、一生忘れないと思う。 忘れたくないな。 ● 洗い物くらいは出来るから。 作ってもらったんだから、後片付けくらいはやらせて。 そう言ってこなたを部屋に返した。 こなたは絶対に割るからやめてなんて言ってたけど、私はそこまでドジじゃない。 ただ、料理が出来ないだけ。これはもう才能の問題かもしれない。 私には家庭的な才能がないのかな。 それでもいいと思う。 こなたはそういうのが得意だから。 二人で役割分担していけばいいんだ。 この先、本当にあるのか分からないけど。 そういう生活が、本当にくるのなら。 そんなことを考えながら、お皿を洗っていく。 水の落ちる音と、お皿の擦れあう音。 鮭をつつきながら話していたなんでもない会話。 それは、いつも学校で話してたような他愛もない内容だったけど、一つだけ。 こなたが何気なく言ったこと。 本人は気づいてないかもしれないけど、それはとてもとても重かった。 ――こんなところ、お父さんが見たらびっくりするだろうね~。 お皿を擦った。強く強く、力任せに。 左手のスポンジが潰れて泡が吹き出してくるほど。 茶碗も、コップも、何もかもを洗剤の泡で洗っていく。 激流となった水道水で泡を流していく。 今は、これに集中しよう。 跳ね返った水は顔や服に飛び散り、両腕は肘の辺りまで濡れていた。 とにかく手を動かしていたかった。 でも、仕事はすぐに終わる。量はあまりないんだから、当たり前だ。 この速さをこなたが見たら、驚くだろうな。 達成感でため息を吐きながら、手の甲で額を拭う。 そう、多分いい仕事をしたという、自己満足。それだけのはずだ。 僅かな間の、独りの時間。 考えないようにしてたことは、考えないようにすればするほど自然と頭に浮かんでくる。 忘れようとしていたことなのに、思い出したくないのに。 ……こなた。 もっと、近くにいたい……。 こなたといれば、こんなことなんて忘れられる。 こなたといれば、どんな気分の時だって楽しくなれる。 ほんの数メートル先なのに、離れ離れになったような感じ。 声をかければ返事は来るし、走ればすぐにたどり着く。 たったそれだけの距離だけど、見えないだけで、傍にいないだけで、言いようのない不安に襲われる。 私が、私たちが、今望んでいるのは、きっと普通じゃないこと。 世間からはまず非難の目を向けられるだろう。 そもそも家族は認めてくれるのか。 私たちは、これからどうなるんだろう。 気がつくと、家の中を走っていて、こなたの部屋の前にいた。 ドアを開けると、テーブルの傍で横になっているこなたが目に入る。 「あ、かがみお疲れ~。意外と早かったね」 上半身を持ち上げて、あ、と呟き首をかしげて、 「そういえば、急いでたみたいだけど、何かあったの? お皿割っちゃったとか」 「な、なんでもないわよ……」 こんな不安なんて言っても恥ずかしいだけだ。 それに、こなたが気づいてないなら、知らないままでいて欲しい。 私だけで何とか解決できたら、それが一番だ。 とりあえず、とりあえず忘れよう。 まだ先は長いんだ。きっといい考えが浮かんでくる。 それよりも今を満喫しないと。 もしかしたら、これが、最初で最後の……。 こなたと向かい合うようにテーブルの前に座る。 「……ね、ねえ、こなた。今日、どこか行きたいところとかある? まだ時間はあるし、結構遠くまで行けると思うけど」 「あれ~? かがみから誘ってくるなんて、珍しいね~」 「な、そ、そんなんじゃないわよ……」 あ~、しまった。ついうっかり口を滑らせたなー。 でも、他に話すようなこと思いつかなかったし、何か別の話題で話したかったし……。 「さすがかがみん、こういう状況だと積極的になるなんてまさにツンデレだよ~」 「だから違うってば……」 でも、こなたはそれには応えずに、代わりにテーブルの下をくぐって、私の膝のある辺りから顔を出した。 「私は、かがみと一緒なら何処にいてもいいよ」 「え? こなた……」 ……なんでこの子は、こんなにも素直なんだろう。 私なんて言いたいことがいつも言えなくて、昨日だって、こなたが強引に聞き出さなかったら、こんな展開にはなってなかったはずだ。 多分、この先ずっと……。 「んしょ……」 こなたがテーブルの下から這い出してきて、私の膝の上にちょこんと座る。 思わず、自分が乗ったときの体重計の数値が頭に浮かんで、慌てて払いのけた。 ……あー、どうしよ。 両手が文字通り手持ち無沙汰で、こなたに近づいたり離れたり。 あと一歩が踏み出せなくて、空中で居場所を失ってる。 その両手が急に掴まれて、こなたのお腹の前で組まされる。 「こういう時は自然にこういう状態にしないと~。全くかがみは気が利かないんだから」 「ねえ、かがみ……」 こなたは、私の手をぎゅっと握って。 振り向かないで、そのまま少し上を向いて。 「かがみは、どうして私を好きになったの?」 そっと、囁くように。 え? 「そ、そんなの別に言わなくたって、いいでしょ……」 でも、こなたはおどけることもなく、ただ上を向いたまま、 「恥ずかしいよね? でも、教えてよ。私も話すから……。知りたいんだ。かがみが何で私を好きになったのかを……」 同じように、少し上を見つめる。 ……何でだろうな。 何で、私は、こなたのことを……。 いつの間にかその感情は芽生えていた。 直視しないようにしてたけど、気づいたらこなたのことばかり考えていた。 前は、こんな気持ちじゃなかったと思う。 前までは、大切な親友で、でも、そこまでだった。 いつからだろう。どうしてだろう。 きっかけは何なんだろう。 自分に正直に、思考を過去へと遡らせる。 このまま理由をはっきりさせなくても、今のこの気持ちは本物なんだから。 私がこなたを、好きだってことは真実だから、これからのことに何の影響もない。 でも、原因があるんだから、結果がある。 もちろん、この感情が生まれてきたことにも。 原因がはっきりしてない結果なんて、成立しない。 理由の分からない愛なんて、すぐに消えてしまう。 それは、一時期の気の迷いでしかないと思う。 忘れてしまわないうちに、はっきりさせたい。 これから先、理由も分からないままこなたを愛していくなんて、嫌だった。 恥ずかしくて、思わず目を背けてしまうだろうけど。 自分の気持ちを。自分の素直な気持ちを。 見つめ直そう。 目を瞑る。 よし、と心の中でつぶやいた。 後は言葉にして、声にするだけ。 ストレートに言うのは苦手だから、曲げて曲げて曲げて……。 少し深呼吸をする。 うまく言えるかな。 自分の本心を話すのは、本当に苦手だ。 言葉にするのも、声に出すのも。 普段嘘ついてるってわけじゃないけど、 いつも自分の本当の気持ちを押し殺してきたから。 いつの間にか、外に出すのが怖くなってたんだ。 だけど今は、自分の思いを外に出さないと。 いつまでもこなたに引っ張られているわけにはいかないから。 お腹からゆっくり空気を出して、喉が震えて声になる。 「そ、その、え……っと……」 言葉には、ならなかった。 いつもこうだ。大事なことは、全然言えない。 「大丈夫だよ、かがみ。落ち着こう。かがみの本当の気持ちなんだから、自信持っていいんだよ? 自分の思いは、自分以外の誰にも否定できないんだから」 「う、うん……」 こなたの暖かさが、手を通して伝わってくる。 自分に正直に。自分の気持ちを伝えられるように。 やっぱりそれは恥ずかしいけど、 こなたに、それから自分に言い聞かせるように……。 「私、知ってるわよ。こなたは、自分勝手な奴に見えるけど、本当はいつもみんなの事を考えてるんだって。 みゆきのことも、つかさのことも……それから私のことも」 少し考える。 こなたは返事もしなかったし、頷きもしなかった。 ただ、私が次の言葉を紡ぐのを待っているんだろう。 だから、続けた。 「辛いことがあっても、こなたが元気づけてくれたから、私はずっと笑ってこれたんだよ」 頭に浮かんでくるのは修学旅行で行った京都の思い出。 あの時は、自分の身の程知らずな想像のせいで、期待を裏切られて、不貞腐れてたし、相当落ち込んだし、辛かった。 多分あのままだったら修学旅行の思い出は、何の輝きも持たないまま、心の奥深くに抑圧されていたと思う。 それに、それからの生活にも、尾を引いていたかもしれない。 自分で勝手に走って、自分で勝手に転んだだけだけど、でも、こなたは私を立ち上がらせてくれた。 何の過程もなくて、結果だけを期待していたなんて、馬鹿だったな。 そんな幻想より、もっと近くに……。 それは失恋ってほどのものじゃなかったけど、でも、それから立ち直って、そこから何かが始まった気がする。 こなたは、家に帰ってからも電話してくれた。 実際何があったかなんて、こなたは知らないと思う。 でも、何かがあって私が動揺してるっていうのは分かったんだろう。 或いは、それがどういう系統のものであるかも。 相手の考えてることを読み取れる。 こなたにはそれが出来ると思う。 それは、周囲に常に気を配れる人じゃないと出来ないこと。注意力がないと出来ないこと。 まあ、不貞寝はしてなかったけど。 でも、そんな励ましにもならないような言葉が、あの時は本当にうれしかった。 誰にも話してないのに、こなたは分かってくれてたんだな、って。 「こなたはきっと、誰よりも優しい心を持ってるんだと思うよ。 でも、そういう気持ちを悟られたくないから、オタクっていうことで本心を隠して、 我が道を進んでるように思わせてるのよね」 勝手にこなたの心を推測して、ちょっと自分勝手かな。 でも、私が感じたことだし、多分これであってると思う。 理由は分からないけど、そう思える。 「よくふざけたりしてるのも、誰かに構ってもらいたいからなんでしょ。 それに、誰も傷つけないで、みんなを元気付けたり喜ばせたりするには、自分がおどけるしかないから。 本当は、寂しいのよね。明るく振舞ってるのも、それの裏返しで……」 こなたの体が小さく震えた。 それは、私の話の中で始めての反応。 「あ、ご、ごめん、こなた……。こなたの気持ち、自分勝手に考えて、酷いこと言っちゃって……」 「……ううん。いいんだよ。……それで、あってるから……」 泣いてるのかな。 顔を覗こうかと思ったけど、やめておいた。 見られたくないかもしれないし、こなたもこっちを見てはいないんだから。 そのまま、何事もなかったように続けた。 「あの時も、あの時も、こなたは私のことを気遣ってくれたし、言葉にしなくても、それはずっと伝わってきてたよ。 それで、私は、ずっとこなたの傍にいたいって思った……。こなたに寂しい思いをして欲しくないし、 私もこなたがいないと駄目だから。友達とかそういうのじゃなくて、もっと深いところで、繋がっていたいって……。 それにこなたは、私のことを分かってくれてるから。……こなただけだよ、気づいてくれたの」 だから。 一度だけ、深く深く息を吸って、吐き出す。 後少し。自分の言葉で、自分の体が熱くなってくる。 最後に、一言告げないと。 違う。 始めるために、一言を。 「……だから。私は、そういうこなたが、大好き」 大きく息を吐く。 なんだか嬉しいな。……自分の気持ちを、こなたに伝えられた。 でも、なんだろう。 少しだけ、心のそこから喜べないって気持ちがある。 それは……。 「かがみ」 こなたがゆっくりと、話しかけてきた。 「それなら、かがみも一緒だよ」 え? どういう意味だろう。何が一緒なんだろう。 気になるけど、声には出さなかった。 待ってれば、こなたが答えてくれるだろうから。 「かがみだって、いつもみんなのこと考えてるじゃない。 何かあったら本当に心配してくれるし、困ってたら助けてくれるし」 そうなのかな。 自分のことなんて考えたことがなかったけど、こなたからはそういう風に見られてたんだ。 「……けど、自分に辛いことがあったら、我慢して強がってるよね。 かがみはしっかり者だから、周りに心配かけたくなくて、それで、いつの間にか 自分の気持ちを素直に表せなくなったんだよね。だから、自分を分かってくれる人が いなくて寂しがり屋になったんでしょ」 こなたは、ここまで私のことを考えてくれてるんだ。 分かってくれてるんだ。 そういうのが、改めて伝わってくる。 こなたの言葉は的確で、だから私に鋭く刺さってくる。 でも、それがこなたから見た私だし、客観的な私だし、本当の私なんだと思う。 「それに、かがみも私のことを分かってくれてるよ。それは多分、かがみだけ……。 さっき、かがみの気持ちを聞いたとき、気づいたんだよ。 私もかがみと一緒なんだな、って。 寂しがりなのも、自分の気持ちを外に出さないのも。 だから、私、かがみと離れたくない。ずっと一緒にいたい」 こなたが初めて私の方を振り向いた。 その目は、少しだけ赤くなっていた。 私の腕の中で、体ごと反転して、 「ん……」 抱きついて、キスをしてきた。 そのまま後ろに押し倒される。 びっくりしたけど、それ以上に、幸いを感じた。 こなたと繋がってるという、温かい感触。 それに応えるように、両手をこなたの背中に回す。 ようやく居場所を見つけた手で、抱きしめ返す。 一緒って、こういうことか。 私たちは似てるから、お互いの気持ちが分かって、だから……。 それに、やっぱりこなたは私以上に私のことを理解してるんだって分かった。 本当に、本当に嬉しい。 目の前、ほとんど密着状態のこなたは、目を瞑っていた。 それは、哀しそうな、嬉しそうな、そんな表情だった。 いや、多分後者だ。そうに違いない。 瞼を閉じる。 頭に浮かぶのは半吉の恋愛成就のおみくじ。その上に貼ったプリクラ。 調べてみたら、半吉って言うのは吉と凶が両方あるってことらしい。 凶はもう体験したから、今度来るのは吉。 そう信じてたし、その願いは叶ったと思う。 だけど、少ない時間はどんどん削られていく。 出来ることなら、ずっと二人で、重なっていたい……。 終わり 泊まった日・始(続編)へ コメントフォーム 名前 コメント GJ! -- 名無しさん (2022-12-17 01 14 23) いいねいいね -- あめちゃん (2013-10-01 23 59 17) 誤)wiki内のアップローダー 正)旧wiki内のアップローダー -- 名無しさん (2009-02-10 15 41 41) 画像のアドレスを、wiki内のアップローダーからfc2の方に変更しました。 -- 名無しさん (2009-02-10 03 01 56)